近頃、ニュースなどでLGBTという言葉が使用され、広まりつつある。その一方、バラエティ番組などで“オネェ”と呼ばれるタレントたちが笑いをとっているシーン
を目にしたことはないだろうか。AbemaTV『Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜』第26回のテーマは『LGBT』。LGBTの渦中にいる当事者たちは、現状をどのように考えているのだろうか。

 レズビアン(女性同性愛者)のL、ゲイ(男性同性愛者)のG、バイセクシャル(両性愛者)のB、トランスジェンダー(性別越境者)のTの頭文字からとられたLGBT。
もともとアメリカで生まれた言葉であり、社会運動としてのチーム名だったという。
LGBT当事者が語る本音「犯罪者じゃない。ゲイ“疑惑”はやめて」

(モデル・女優・DJなどで活躍する篠崎こころさん)
バラエティ番組の欠けた配慮…LGBT当事者たちがメディアに苦言「オネエ言葉を話すわけじゃない、普通に生活している人が大半」

 モデルや女優、DJとして活躍中の篠崎こころさんは、バイセクシャル(両性愛者)を公言している。メディアのLGBTの取り上げ方について聞かれると
「バラエティ番組に出たときに『男側にまわってほしい』と言われることがある。ゲストで女の子がくると『今日の女の子はタイプ?』って聞かれたり。
『キスしてみてよ』とか言われたことがある」と、LGBTに理解がない相手の対応に、嫌な思いをした経験を語った。

 NPO法人東京レインボープライド共同代表理事であり、トランスジェンダーで女性から男性へと変わった杉山文野さんは「メディアではおもしろおかしく
扱われる“オネエ”と、辛く苦しい“性同一性障害”のように、対極で扱われることが多い。間がない」と現状を分析。続けて「オネエ言葉を話すわけでもなく、
普通に生活している人が一番多いのに、二極化しているのはバランスが悪い」とコメントし、メディアにおけるLGBTの認識や、取り上げられ方における、現実とのずれを語った。
LGBT当事者が語る本音「犯罪者じゃない。ゲイ“疑惑”はやめて」

(モデルの西原さつきさん)
なぜ“ゲイ疑惑”? 「犯罪者じゃないんだから……」

 番組では日本のメディアがLGBTについて取り上げる際に「嫌だ」と感じた言葉についてのトークに。杉山さんは
「『あっち』とか『そっち』という言い方かな」と過去に嫌だと感じた言葉を挙げた。杉山さんは「『俺はそっち系じゃないから』と、まるでLGBTが違う世界かのように語られる」と話す。

 さらに、杉山さんはやめたほうがいい表現として「ゲイ疑惑」という言葉を紹介。「犯罪者じゃないんだから“疑惑”というのは間違い」と指摘し、LGBTに対して失礼であることを強調した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171014-00010002-abema-soci