石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画を問う住民投票条例案が26日、市議会で否決された。
野党は与党の「造反」を見越して勝負に出たが、最後にはしごを外された形だ。

住民投票に反対してきた中山義隆市長は、ひとまず危機を乗り切った。
住民投票条例案への賛成を見送った与党市議の1人は、来年3月の市長選で野党候補者の1人に浮上しており、住民投票条例の否決は市長選にも影響しそうだ。

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鎮魂の月が往く。つくづく想起されることは八重山の戦争マラリアが軍の判断の誤りによって引き起こされた無念である
▼75年前、ミッドウェー海戦の敗北以来、日本は太平洋戦争の主導権を失い、敗色濃厚となったのにそれを一切認めず玉砕、特攻を繰り返した。
全国各地の大空襲、沖縄戦そして広島、長崎の原爆で無辜(むこ)の民の生命を失わしめたのは誰か。軍部の判断の誤りである

▼八重山守備の宮崎旅団もしかり。米軍が沖縄本島から反転南下して先島を攻撃するという判断。「敵上陸後の避難は困難を招き、損害の絶大及び戦闘の妨害を顧慮」し、住民をマラリア有病地と知りながら避難を命じた致命的な過ち。
それも沖縄戦敗戦がすでに決定的な6月1日という誤り

▼何よりもマラリアの特効薬キニーネを保有しながら、罹患して高熱に苦しむ住民に提供しなかった判断。それすら知らず亡くなった人々の無念を思わずにいられない

▼その鎮魂の月に何を思ったか、市議会は陸自配備にかかる住民投票条例案を否決した。その判断に誤りはないか

▼市長や否決した議員らは、石垣市民の民意が明らかになることを恐れている。
保守系であっても配備に反対する声を多く聞く。民意を問え。島の将来を決めるのは市民だ。
誰にも全権委任した覚えはない。(慶田盛伸)

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