―なぜ、先進国の中で日本ばかりを批判するのか?という声もあります。

ケイ 日本ばかりではありません。私はここ数年でアメリカ、イギリス、フランス、スペインといった民主主義国家にも勧告をしています。
そしてどの政府も、勧告に反発するのは自然なことです。

イギリス政府には「デジタル経済法」への懸念を表明しました。
これはインターネットプロバイダーに対して、ポルノサイトにアクセスするユーザーを追跡することを求める法律です。
子供を守ることが目的ですが、私はこれによって大人の権利が損なわれると心配しています。
それに対してイギリス政府は異を唱えましたが、実際は政府よりメディアのほうが私のことを「児童ポルノ擁護派」だと激しく批判しています(笑)。

―特別報告者は実際、どんな権限や影響力を持つのでしょう?

ケイ なんの権限もありません。唯一、権限と呼べるものがあるとすれば、国連理事会から与えられた立場そのものです。
報告書は人権法に照らし合わせた分析です。6月12日の国連理事会で、私は報告書を公式に発表します。

その後、私の勧告が意味のないものなのか、それとも考える価値のあるものなのか、生かすか殺すかは日本の皆さんと政府次第です。
皆さんがこの勧告を重要視するならば、社会的な議論が始まることでしょう。

国連特別報告者・デービッド・ケイ氏に独占直撃! 表現の自由・共謀罪 ...
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12176-86617/