FBの中傷的な投稿に「いいね!」押した被告に有罪判決、スイス (AFP=時事)

【AFP=時事】スイス・チューリヒ(Zurich)の裁判所は29日、フェイスブック(Facebook)で動物保護活
動家を「人種差別主義者」「反ユダヤ主義者」とこき下ろす中傷的な投稿に「いいね!」ボタンを押し
た男性被告(45)に4000スイス・フラン(約45万円)の条件付き罰金を科す判決を下した。

 30日にAFPに送られてきた裁判所の声明によると、被告はフェイスブックでエルビン・ケスラー
(Erwin Kessler)氏と同氏の動物保護団体「フェアライン・ゲーゲン・ティアファブリケン」(動物工場に
反対する会)を人種差別主義的で反ユダヤ的だと非難していた。被告の氏名は明らかにされていない。

 ケスラー氏は20年近く前、動物をいけにえにするユダヤ教の儀式をナチス・ドイツ(Nazi)の行為に
なぞらえたことで、スイスの反人種差別法に違反したとして短期間の禁固刑を受けたことがある。

 スイスの日刊紙ターゲス・アンツァイガー(Tages-Anzeiger)によると、問題のコメントは2015年、
完全菜食主義(ビーガン)をテーマにした大規模ストリートフェスティバルにどの動物保護団体の
参加を許すべきかについてフェイスブック上の複数のグループで行われた白熱した議論の中で
なされたものだった。

 ケスラー氏はこのときのやりとりに加わった十数人を相手取って裁判を起こしたと、被告の一人
の弁護士がAFPに明らかにした。

 すでに数人の被告が主に自身が行った特定のコメントを理由に有罪判決を受けているが、他者
のコメントに「いいね!」を押しただけで有罪となったのは29日に判決を受けた男性被告が初めて
とみられる。

 裁判所はケスラー氏に対する第三者の敵意に満ちた複数のコメントに男性被告が「いいね!」を
押したことを問題視。男性被告がこのコメントを投稿した本人ではないことは重要ではないと指摘し、
「いいね!」ボタンをクリックしたことによって被告は社会的に不適切な内容を明白に支持し、自分で
その内容をコメントしたのも同然だとしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170531-00000016-jij_afp-int