英国を除く欧州連合(EU)の27加盟国は22日、ブリュッセルで開催した総務理事会で、英国の離脱交渉に対する方針を定めた「交渉指令」を承認した。
英国の「清算金」支払いを引き続き要求し、主要事項で合意に達するまでは将来の貿易関係についての協議を拒否するという厳しい姿勢で臨むことを最終決定した。

 EU側責任者のバルニエ首席交渉官は総務理事会後の記者会見で、
「27カ国が守るべき立場を確認した。英国の見解と異なるのは理解しているが、これまでも述べてきたように交渉は交渉だ」と言明した。

 英紙サンデー・タイムズは21日、英国のデービス離脱相が
「EU側が高額の清算金の要求を改めなければ、英国は離脱交渉から撤退する」と話したと報じたが、
バルニエ氏はこれに対し「交渉の決裂は成功にはならない」と批難した。

 清算金は最大で1000億ユーロ(約12兆4930億円)に上るとの試算もあり、これまでも論争を引き起こしてきた。
デービス離脱相は「10億ポンド(約1443億円)ですら大金だ」と述べており、交渉開始にあたり、双方が落とし所を見いだせるかが早速、試されている。



EU、英離脱に厳しく対処 高額の「清算金」引き続き要求で合意
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170524/mcb1705240500025-n1.htm