がん治療・解体新書 心不全薬で転移を防げる
「ドラッグリポジショニング」――。特定の疾患に有効な治療薬から別の疾患に有効な新たな薬効をみつけだすことを指す。
例えば風邪薬を頭痛薬として処方するようなケースだ。このドラッグリポジショニングでがん治療に挑む動きが出てきた。
今、最も注目される薬が「ハンプ」。心不全の治療薬だが、がん転移を防ぐ名薬に生まれ変わろうとしている
「がん転移の抑制剤なんて最初は誰も信じてくれなかった。しかも、それがあの『ハンプ』なんだから」
こう語る医師、野尻崇氏の経歴ほどハンプを雄弁に説明しているものはない。元は心臓外科医、そして今は肺がん外科医。
大阪府吹田市にある国立循環器病研究センター研究所のペプチド創薬研究所室長として、がん転移を防ぐ薬の研究に没頭する。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO16400660V10C17A5X13000/