朝鮮半島での軍事的緊張が高まったことを受け、東京都内にある核シェルター型ホテルが提供する「絶対生存プラン」に人気が集まっている。
北朝鮮による核実験が懸念されるようになった今年初めから現在まで全室満室の状態が続く。
絶対生存プランを提供するのは、東京都千代田区の核シェルター型ホテル「シェルターイン東京」。
核戦争が直前に迫ったキューバ危機をきっかけに、1964年に作られたこの老舗ホテルの地上部分にはフロントしかなく、25室ある客室は全て地下90メートルに掘られた地下室だ。
冷戦終結後は、シェルター体験ができるアミューズメント型宿泊施設として利用されていたが、
朝鮮半島情勢が緊迫し始めた今年に入って「避難したい」という問い合わせが相次いだことから、急きょ改修工事を行い、2月から「絶対生存プラン」の提供を始めた。
「核の炎に包まれても生存保証100%」をうたったことから、月250万円という宿泊料にもかかわらず、現在も全て満室だ。
客室内には、地上の放射線レベルが下がるまで最大3週間分の非常食と飲み水、医療品を備える。
また、インターネットやテレビを通じた偽ニュースで不安や混乱が生じないよう、内線電話を含む外部との通信手段を全て遮断し、情報戦対策も施した。
戦争に伴うあらゆる危険がなくなったことを確認したホテルスタッフが専用の鍵で開けるまで内側から開錠はできないが、
室内にいる限り宿泊客の生命は確実に保証される「聖域」になっているという。
核実験の可能性が最も高い「Xデー」として注目された4月16日には何も起こらなかったが、
14日には新型の弾道ミサイルを発射するなど朝鮮半島では軍事的な緊張状態が続いている。
早い客では避難生活3カ月目に入っているが、「核ミサイルが着弾する可能性が0%になるまで開錠しない」との契約を結んでいることから、
ホテル担当者は「残念ながらまだ開錠できる状態ではない」と話す。
25室の「聖域」は今日も中に人の気配を感じさせないほど静まりかえっている。
http://kyoko-np.net/2017051501.html