2/24(土) 20:32配信 スポニチアネックス
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 ◇WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者 アレハンドロ・サンティアゴ《12回戦》同級1位 中谷潤人(2024年2月24日 東京・両国国技館)

 WBC世界バンタム級1位の中谷潤人(26=M・T)が同級王者アレハンドロ・サンティアゴ(28=メキシコ)を6回TKOで下し日本男子7人目の世界3階級制覇を達成。無敗での達成は井上尚弥(30=大橋)、田中恒成(28=畑中)に続く3人目の快挙となった。

 バンタム転級初戦で王者相手にいきなり白星を挙げて見せた。14センチ低い王者に対して、序盤から右ジャブから左ストレートを顔面に打ち込んだ。しかし2回終了間際にサンティアゴのクロスカウンターを被弾してヒヤリとする場面も。その後はプレッシャーをかけながらも冷静に試合を運んだ。4回終えて、ジャッジ3者はフルマークを付ける40―36の公開採点となった。

 スーパーフライ級時代は減量苦と戦ってきたが、階級を上げたことで上限が1・4キロプラス。「過去一番の仕上がり。体重もスムーズに落ちた」と直前まで自身を追い込むことに成功。スパーリングは278ラウンドを数えるなど、過去最高の状態で臨んだ一戦だった。

 会場の両国国技館は思い入れのある地だ。プロ入り前の2013年4月、WBC世界バンタム級タイトルマッチで同級王者・山中慎介(帝拳)がマルコム・ツニャカオ(フィリピン)に12回TKO勝ちし、3度目の防衛を達成した一戦を現地で観戦した。「その場所でまた試合ができる。ロマンがあります」と語っていた中谷。計量前日の22日にはその山中氏から助言をもらったことも明かし「励みになります」とレジェンドが保持していた緑のベルトを同じ会場で手にした。

 「モンスター」の存在も成長を後押しする。昨年12月に史上2人目の2階級4団体王座統一を成し遂げた井上尚弥(30=大橋)との将来的な対戦を熱望する「ネクストモンスター」。だが「全ての技術を整えた上で挑まなければいけない選手。今の自分はまだまだ」と自覚。同じ舞台にたどり着くため、課題の守備面を磨きながら、スパーリングから異なるタイプの選手と手合わせし成長につなげる。

 見据えるのは、その井上が成し遂げたバンタム級の4団体統一。スーパーフライ級時代は統一がかなわなかったことから「勝てるの?と思われるような相手に勝ち続けてボクサーとしての評価を上げたい」とバンタム級で最強の称号を手に入れてみせる。