スポーツ報知2024年1月21日 5時0分
https://hochi.news/articles/20240120-OHT1T51262.html

 歌手で俳優の杉良太郎(79)が20日、能登半島地震の1.5次避難所にあたる石川・金沢市のいしかわ総合スポーツセンターで炊き出しを行った。19日に続き、同所を訪問。被災者らに、豆乳みそうどんなど380食分を振る舞った。

 この日の朝、うれしい出来事があった。杉の活動を知った市内在住の女の子が「ありがとう」の手紙とプレゼントを贈りたい、と母親、祖母と訪ねてきた。しゃがんで感謝の言葉を聞いた杉は「ありがとう。元気にね!」と返答。思わず笑みがこぼれた。

 「3歳の女の子が訪ねてくるなんて普通ないよ」。少女の純粋な気持ちに心打たれ、目頭を熱くした。前夜は「寝付きが悪い」と語っていたが、疲れも一瞬にして消えた。

 同所では、17日から一般募集された災害ボランティア活動が始まった。約200人が一時的に避難しているが、その大半が高齢者。介護を必要とする人も多い。「被災して神経を使っているから。胃に(ダメージが)きていると思う。自分の家を捨てて、ここに来て、食欲旺盛とはならない。脂っこいものを嫌がる人もいるからね」。様々な状況を勘案し、昼夜3日間分のメニューを考案した。

 昼食には、全国から駆け付けた支援チームのスタッフ分も含め、380食分の豆乳みそうどんを振る舞った。ポイントは毎食に果物を添えたこと。「(栄養価の高い)バナナ、みかん、いちごをそろえた。りんごは(皮をむくのに)刃物を使うから(調理時間の都合で)やめにした」と話した。

 19日夜には、同所から500メートルほど離れた1.5次避難所の石川県産業展示館2号館を急きょ訪問。カレーライスと豚汁を60食分届けた。杉は「被災地から避難所に着いたばかりの家族がいて、食べるものがなかったみたい。喜んでくれて良かったよ」と安どした。炊き出しは21日まで行われる。(加茂 伸太郎)