富士山の登山に臨む90歳の冒険家三浦雄一郎さんが最終日の31日、静岡県側富士宮ルートの9合目山小屋を出発した。午前中に山頂到達の見通し。不自由な脚をカバーする山岳用車いすを家族や仲間らがサポート。前日には名誉校長を務めるクラーク記念国際高登山部の生徒らも合流し、新たな足跡を刻む瞬間に期待を寄せた。

三浦さんは山小屋前で東の空からオレンジ色の朝日が昇るのを見つめてから、午前5時15分ごろに山岳用車いすに乗り出発。「楽しみです。景色も良くていいタイミング」と穏やかな口調で語った。

三浦さんは87歳だった2020年6月に「特発性頸髄硬膜外血腫」を発症し、約8カ月にわたり入院。リハビリの目標として富士登山を志した。

三浦さんは富士山で1966年、パラシュートブレーキを使用しながらスキーでの直滑降に成功。2003~13年にかけては70歳、75歳、80歳と節目の年齢で世界最高峰エベレストを制した。

日本記録認定協会によると、富士山の最高齢登頂は1988年に五十嵐貞一さん(故人)が101歳10カ月で達成した。

東京新聞
2023年8月31日 06時06分 (共同通信)
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