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井岡一翔が王座返り咲き! ドーピング問題、フランコの体重超過はね返して白星

◆プロボクシング ▽WBA世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者ジョシュア・フランコ―同 級6位・井岡一翔(24日、東京・大田区総合体育館)


 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチは、前WBO王者の同級6位・井岡一翔(34)=志成=が、前王者ジョシュア・フランコ(27)=米国=を3ー0の判定で下し新王者となった。

 試合3日前に大麻成分が検出されたドーピング(薬物使用)検査結果が公表された井岡は、前日計量で2・9キロ超過して王座を剥奪されたフランコ相手に奮闘。

 自身の持つ日本人世界戦最多勝記録を「22」に伸ばした。夢の統一王者へ再び前進した井岡の戦績は、30勝(●15KO)2敗1分け。


 井岡が不屈の魂を見せた。世界戦を3日後に控えた21日深夜、日本ボクシングコミッション(JBC)から突然、自身の尿検体から禁止薬物の大麻成分が検出された事が発表された。成分濃度が世界反ドーピング機関(WADA)の定める基準値を下回った事から、JBCはドーピングの禁止事項を定めるコミッションルールには違反していないと判断。

 井岡は「ボクシングと向き合ってきて、自分自身にうそはついていない。正々堂々と戦っている。思うことはあるが、まずはこの試合を実現させることがベスト。勝利して、必ず正義が勝つというのを証明しないといけない。リングに上がることを信じて最後まで戦い抜く」と語っていた。

 また、23日に行われた前日計量では、相手のフランコが規定体重より3・1キロオーバーの55・2キロ。再計量でも再び2・9キロ超過し、WBA王座が剥奪され空位となった。

 無念のドローに終わった昨年12月31日以来、WBO王座を返上してまで実現させた再戦でのまさかのハプニング。

 それでも井岡は、前王者となったフランコに対して「(怒りは)全く、ないです。自分はやるべきことをやるだけ」と冷静に語り、「これまでのボクシング人生において、生きざまとか、去年の大みそかを超える試合を見せたいと思っている」と覚悟をにじませていた。

 試合直前で重なったまさかの事態も乗り越え果たした、王座返り咲き。日本男子初の世界4階級王者が、強さを見せつけた。