◇テニス全仏オープン第7日(2023年6月3日 パリ・ローランギャロス)

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 男子シングルス3回戦で第27シードの西岡良仁(27=ミキハウス)が世界172位のチアゴ・セイブチビウジ(23=ブラジル)に3―6、7―6、2―6、6―4、6―0で競り勝った。フルセットにもつれる激戦の末、68年のオープン化以降で錦織圭(33=ユニクロ)に続く日本人2人目の16強入り。4大大会では1月の全豪オープンに続く、2大会連続の4回戦進出を果たし「とにかくファイトした。ネバーギブアップの姿勢で16強に行けたことは非常に嬉しい」と声を弾ませた。

 怒りが爆発した。第2セット5―5で迎えた第11ゲーム。西岡は30―30から放ったライン際のショットがアウトと判定されると「No way!(あり得ない!)」を連発して猛抗議した。判定は覆らず30―40。ネットを超えて相手側のコートに入ったため警告も受けた。

 第1セットにはラケット破壊で警告されており、この試合で2度目。コートバイオレーションでポイントを失い、ゲームを落とした。それでも、続く第12ゲームは気持ちを切り替えて奪取。「自分はパワーがないのでファイトすることが必要。簡単にポイントは取れないので、考えないといけないし、感情をうまく出しながら」。タイブレークは1―5から逆転して、10―8でものにした。第3セットを失い再びリードを許したが、第4セットを奪取。最終第5セットは第1、第3ゲームでブレークに成功して流れを渡さなかった。

 試合中の態度が批判されることが多いが、西岡にとってイライラすることはセルフマネジメントの手段の一つ。1月の全豪オープン中には「去年の中旬頃からイライラすることがよくないのかいいのか考えながらやっている。個人的にはいらいらしてる方が集中できる」と明かしている。1、2回戦に続く、3試合連続の逆転勝ち。自身初の4大大会8強入りを懸けた4回戦は第15シードのボルナ・チョリッチ(26=クロアチア)と、世界49位のトマスマルティン・エチェベリ(23=アルゼンチン)の勝者と対戦する。

 視線はすでに次の戦いを向いている。「全豪では残念な結果だった。今日、明日でリカバリーして、いい状態で臨めるようにしたい」。感情を出し、そしてコントロールし、未知の領域に挑戦する。

スポニチアネックス 2023年6月3日 22時3分
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