5/21(日) 20:30配信

チームHR数はワースト13本…リーグトップのDeNA宮崎は9本

■巨人 5ー2 中日(21日・東京ドーム)

 中日が、どん底から抜け出せない。21日の巨人戦(東京ドーム)では2-5と力負けを喫し、今季ワーストの7連敗。まだ5月だというのに、すでに首位の阪神とは12.5ゲーム差も開き、停滞ムードが漂っている。就任2年目を迎えた立浪和義監督が大胆な血の入れ替えを断行して臨んだ今季。相次ぐ誤算も低迷に拍車をかけている。

 貧打は、一向に改善する兆しが見えない。昨季12球団ワーストだったチーム本塁打数は、今季もここまでわずか13本塁打で最下位。リーグトップのDeNA・宮崎が9本塁打なのを考えても、実に寂しい。チームトップは、4月中旬に長期離脱から復帰した石川昂弥内野手の4本。OPSも12球団ワーストで、ヒットは出てもチャンスで1本が遠い。

 戦前から劇的な改善は期待されていなかったが、最も誤算となっているのが助っ人陣。大砲候補と目された新助っ人のアリスティデス・アキーノ外野手は20試合で打率.154、1本塁打、6打点と苦しんで2軍降格。出戻りしたソイロ・アルモンテ外野手も打率.189、1本塁打、2打点とつらい。

 立浪政権となり、それまで不動の4番だったダヤン・ビシエド内野手の立場が揺らいだことで、ボトムアップのために促した“助っ人内競争”。蓋を開けてみれば、競争はおろか、オール和製打線となったのも誤算のひとつ。広いバンテリンドームがもはや“逆風”となっている。

京田&阿部の主力放出も…内野はコロコロ“日替わり状態”で固定できず

 思い切った主力の入れ替えも、現状では実を結んでいない。オフに二遊間のレギュラーを担ってきた京田と阿部を放出。長く続く低迷期からの脱却に向け、思い切って若手起用に舵を切った。しかし、二遊間だけでなく内野陣を固定できずに日替わり状態。チーム失策数は12球団ワーストの「32」を数える。

 その二遊間には新人が入ることが予想されていたが、指揮官がキャンプから最も期待していた新星の離脱も痛かった。オープン戦で打率.333と存在感を見せていたドラフト6位ルーキーの田中幹也内野手は3月に右肩を手術。結果的には同2位の村松開人内野手と同7位の福永裕基内野手が代わって台頭する形となったが、就任当初から重視していたセンターラインが固まらなければ、足元もおぼつかない。

 過去を振り返れば、打てなくても勝った時代は確かにあった。黄金期を築いた落合博満監督時代の2011年にはリーグワーストの打率.228ながら優勝。本拠地を追い風にした「守り勝つ野球」は強い竜の象徴となった。しかし、今季はそのホームですら勝てないことが何よりの誤算。たとえ守れたとしても、0得点では白星はつかめない。

 投手陣は近年リーグ屈指とまで呼ばれるようになり、今季も先発ローテの顔ぶれは充実していたが、投打が噛み合わず。右のエースを担ってほしい柳裕也投手は防御率2.70ながらいまだ未勝利で4敗。1勝の高橋宏斗投手と涌井秀章投手はすでに5敗を喫している。好投しても見殺しとなり、打線がわずかに奮起した時は投手が崩れる……。チグハグが、そのまま借金14に表れている。

 このまま若手を使い続けて覚醒を待つしかないのか。我慢の時だと割り切るしかないのか。それとも補強の一手を打つ必要があるのか。ミスタードラゴンズは正念場にいる。

Full-Count編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/1974d23b828bffd9a6d1ce631349c479407aff90