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「影山優佳の弟である事実は変わらない」…国士舘大MF影山秀人「あくまでも選手として」


[4.8 関東大学L1部第2節 国士舘大2-2法政大 国士舘大G]

 桐蔭横浜大との開幕戦にはスタメン出場していたMF影山秀人(3年=三菱養和SCユース)だが、第2節の法政大戦はベンチで試合終了のホイッスルを聞いた。「すぐにリーグ戦があるので、また一週間、アピールできるように頑張っていきたい」。悔しさを押し殺すようにして、次戦に目を向けた。

 「影山優佳の弟であるという事実は変わらない。高校の時はヤジられたり、指をさされるのが嫌でしたけど、今はそれすらも受け入れている。あくまでも選手として評価される場はここ。付加価値としては大事だと思うけど、選手はピッチで評価されるべきだと思っています。姉に引っ張られるわけでもなく、自分の思うように、やっていきたいです」

 一歳年上の姉は影山優佳さん。女性アイドルグループ・けやき坂46のメンバーとして世に出た彼女だが、アイドルの枠を超えた抜きんでたサッカー知識は、今や誰もが知るところ。共演する解説者も驚くようなコメントを残す彼女の存在は、サッカー中継に欠かせなくなった。「ワールドカップの時は学校でも最初ころは『昨日出ていたね』と声を掛けられたけど、最後の方はもう言われなくなりました」。

 先日には自身のツイッター(@ROMA16CESTLAVIE)で、3月8日に発売が決定した「影山優佳1st写真集」に反応。影山優佳の弟であることを“公表”した。

 「戦略的に公表したつもりもなくて、学校とかでも聞かれればそうだよと答えるし、兄弟で仲がいいので、その一環でという感じです」。あくまでも姉弟であることは、「付加価値として」大事にしていきたいと強調する。

 姉の影響でサッカーも始めた秀人もサッカーエリートだ。名門・暁星小学校に入学してからもずっとサッカー一筋。中学の時は横浜F・マリノスの下部組織に入団。高校で再び暁星サッカー部に戻ると、高校2年生からは日本代表MF相馬勇紀らを輩出したことでも知られる街クラブの強豪、三菱養和SCユースに籍を移してプレーした。大学進学の際も高校の先生には指定校推薦で他大への進学を勧められたが、そこでも自らの意思を貫いたという。

「マリノスは技術的に優れたチームで、とにかくポゼッションの練習が多くて、暁星でずっと走り込みのチームを経験して。養和は比較的自由で、長所を生かす中でやらせてもらって。その中で自分がプロになるためにどういうチームかと考えた時に、自分は技術的なところが長所だと思ったけど、上手い人は本当に上手い。だから技術的な練習が多い大学に行ったら僕はつぶれるなと思った。国士舘は努力が評価される場であるなと感じた。その頑張りを、プロセスを、評価してくれるの国士舘が一番自分に合う場であると感じたので決めました」

 昨年までは同ポジションのボランチに東京ヴェルディに入団したMF綱島悠斗らがいたことでトップチームでの出場機会は限られたが、3年生になった今季からは主力としての活躍が期待されている。「去年は大臣杯で優勝して、練習をやっていても日本一のチームだなと実感していた。今年は去年の先輩が抜けて、その穴を誰が埋めるのとなって、負けたら自分の責任くらいに思っている。綱君の穴を埋めるよりも、自分ひとりの選手としてチームにいい影響をもたらしたいです」。

 名前は秀人(しゅうと)だが、「シュートが一番苦手」と笑う。「親はサッカーをしていなかったけど、僕が2002年生まれで、ワールドカップがあった年なので、サッカー選手になってほしいという願いを込めて付けたようです」。

 それともう一つ。姉・優佳の「優」と秀人の「秀」で、「姉弟そろって優秀な人になってほしいという願いを込められている」という。一足先にサッカー界で名を上げた姉を追いかけて。いずれは「影山秀人の姉が優佳」と紹介される日を目標に、まずは大学サッカー界で存在感を示す。