大激震だ。第5回WBCに臨む野球日本代表・侍ジャパンの鈴木誠也外野手(28=カブス)が25日(日本時間26日)のオープン戦試合前練習で
左脇腹の張りを訴え、急きょ出場を取りやめた。センシティブな箇所だけに球団側から大会出場を許可されないことも考えられ、栗山監督ら
侍首脳陣は代替メンバーの招集も視野に入れざるを得なくなった。予備登録メンバー入りしている野手は明らかにされていないが、
チーム周辺からは中田翔内野手(33=巨人)の代役招へいを指摘する声が出ている。

有事に備えたはずの起用が、現実化するかもしれない。26日の強化試合・ソフトバンク戦で内野手登録の岡本和(巨人)が左翼、近藤(ソフトバンク)
が中堅でそれぞれ先発出場。外野守備を無難にこなしただけでなく、打撃好調な2人の仕上がり具合は11日後に迫ったWBCに向け、
侍ジャパンにとってプラス材料と言えそうだ。

しかしその一方、WBCで正右翼手としての起用を予定していた鈴木の〝アクシデント〟は、チーム全体に暗い影を落としている。海の向こうからの
ショッキングな知らせに、栗山監督は「まあ全員元気な状態でね、集まってもらってね。僕は信じています」とコメント。「合流時期がずれ込むような話は?」
との問いにも「いやいや、全員元気に集まってくれると信じています」と質問をさえぎるように、前向きな言葉を繰り返すにとどめた。

だが、状況は決して楽観視できない。鈴木は近日中にMRI検査を受け、球団側と今後のスケジュールに関して再度話し合いの場を持つと見られる。
現地メディアからは「プレーヤーの生命線でもある脇腹に〝爆弾〟を抱えたにもかかわらず、もしも日本へのロングフライトからWBC参加を
強行することになれば『スーパーナンセンス』と言わざるを得ない」との声も上がっているほどだ。

カブスから鈴木のWBC参加に「NO」を突きつけられる可能性も否定できず、となれば侍ジャパンは予備登録メンバーの中から代替選手の招へいを迫られる。
予備登録されている野手の名前は明らかにされていないものの、球界周辺からは近本光司(28=阪神)や高部瑛斗(25=ロッテ)、辰己涼介(26=楽天)ら
複数の候補者が上がる中「サプライズ選出があるのではないか」とささやかれている。それが中田翔だ。

左打者が多い侍ジャパンの中で「右の大砲」は貴重な存在で、鈴木と同じ右の長距離砲・中田は打ってつけと言える。現在は内野手登録で公式戦としては
2018年5月9日のオリックス戦(京セラ)以来外野守備には就いていないが、12年に左翼手として球団記録のシーズン19補殺を記録し、13年には外野手として
ベストナインも獲得している。昨季も試合では外野守備に就かなかったが、交流戦での起用に備えて左翼で守備練習を行っていた。

しかも、栗山監督は日本ハム時代の「最大の恩師」。同じく日本ハム時代に外野守備走塁コーチを務め、侍ジャパンでも同職に就く清水雅治コーチも当時、
内野手から外野手に転向した中田翔の守備力向上に大きく貢献した人物だ。

球界関係者も「この2人からなら、急にお呼びがかかっても中田は快諾するはず」と分析し「プレミア12や、WBCにも出場しているし、国際経験は豊富。
昨年11月の強化試合にも当初は出場メンバー候補に挙がっていた。ダルビッシュ(パドレス)、大谷(エンゼルス)とも日本ハムでチームメートだったことも
大きい」とも続け、中田翔の代役選出の可能性が、十分にありうることに言及している。

果たして電撃招へいはあるのか。鈴木のコンディションも含め、その成り行きが注目される。

https://news.yahoo.co.jp/articles/da9f6ff5170ae541cf439a13dd5a9f293cd3818d