リアルサウンド 2022.12.11 06:00
https://realsound.jp/2022/12/post-1206926.html

乃木坂46の公式YouTubeチャンネル「乃木坂配信中」の登録者数100万人達成が目前に迫っている。「乃木坂配信中」は、2021年5月にスタートした乃木坂46にとって2つ目の公式YouTubeチャンネル。主にMVやライブ動画を中心にアップしているアーティストチャンネルに対して、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)放送後の見逃し配信やメンバー個人の企画動画を中心に公開しているのが「乃木坂配信中」である。

グループが明確に登録者数100万人を目標にし始めたのは、今年2月に同チャンネルから配信をし続けた『乃木坂46時間TV』からだ。登録者数が1万人増えるごとにメンバーがコスプレをして登場することを公約に、番組ラストには80万人を突破。そこから10カ月を経て、ようやく登録者数100万人のゴールテープが見えてきた。メンバー、スタッフにとっては悲願と言っていいだろう。

『乃木坂工事中』だけでなく「乃木坂配信中」の番組制作を手がける、ケイマックスの長尾真プロデューサーは、「TVのノウハウを一旦捨ててYouTubeと向き合っている」とその演出術の違いを語っている(『クイック・ジャパン』vol.157 より)。『乃木坂工事中』をはじめとするTV番組ではセットの外側から撮影する客観的な画が基本になるが、YouTubeではパーソナルスペースの“45センチ“が親しみの感じられる距離に。『乃木坂工事中』ではすっかりお馴染みとなったいわゆるテレビ的、あるいはファン向けのテロップやツッコミのスーパーも、なるべく視聴の邪魔にならない情報量の少ない手法となっている。

登録者数100万人を目指す「スペシャルコラボ祭り」の第1弾として公開された梅澤美波の白石麻衣との動画「【スペシャルコラボ祭り】白石・梅澤のコラボキャンプ!【前編】」は、「コラボ動画」「キャンプ」「パーソナルスペース」というYouTubeのカテゴリー内にありながら、ファンにとっては今も変わらない梅澤と白石との関係性が見える、まさにYouTubeとしてお手本のような動画だ。ほろ酔いの白石が“おつまみの女神“として徐々にマネージャー陣をも巻き込んでいく素の姿は、時には「パーソナルスペース」というルールに縛られない面白さも感じさせる。

先述のインタビューで長尾プロデューサーも称賛しているが、梅澤の企画力やトーク術、表情の豊かさは「乃木坂配信中」の動画でも特に光っており、良くも悪くも再生回数が可視化されるYouTubeにおいて、メンバー個人企画で先陣を切った「【ソロキャンプ】うめ流アクアパッツァ&はじめてのコーヒー焙煎」や齋藤飛鳥とチートデイを決行した「【手作り餃子】梅澤美波と齋藤飛鳥のチートデイ!【焼き芋アイス】」はいずれも高い評価と再生回数を叩き出している。

「乃木坂配信中」はメンバーそれぞれの個性を対外的に発信できる場所として機能している。恒例となっているのは、伊藤理々杏と山下美月によるポケモンカード開封動画。「カード開封」というこれもYouTubeでは定番の人気コンテンツでありつつ、ポケカが分からなくてもいいようにそこまでマニアックにならない配慮、思わず撮影を忘れてしまうような2人のプライベートの表情が楽しめる動画となっている。

短い動画がアップできる「Shorts」には、音楽特番の現場などからのいわゆる“撮って出し“の動画がアップされることが多いが、このポケカ開封の動画もまたパック発売の2日後に公開というスピードはYouTubeならではと言えるだろう。ほかにも、久保史緒里、柴田柚菜、向井葉月といった乃木坂野球部のVlog「野球観戦」、アニメ好きで知られる賀喜遥香と田村真佑の「コスプレ動画」、遠藤さくらが一人ぶらり散歩をするVlog「さくさんぽ」、幼少期にアメリカに住んでいた清宮レイの英語企画「REI ENGLISH」などがシリーズ化している。

最近は、齋藤飛鳥卒業発表翌日の「ここにはないもの」初披露や『31stSGアンダーライブ』開催記念特番といったアーカイブが残らない形での配信も増えてきており、チャンネル開設からおよそ1年半を経て、グループ、そしてファンにとってまた一つ大切な場所ができた印象だ。メンバー企画動画としては、まだ5期生が登場を控えている部分は100万人達成の先にある、新たなコンテンツとなっていくはずである。