もし早実からプロに行っていたら

 やがて、僕の進路が注目されるようになります。プロか大学か......迷いは、もしかしたら一瞬だけならあったかもしれません。僕は高3の春のセンバツに出てからプロへ行きたいと思うようになりました。

 もしもプロの世界が野球だけでなく、スポーツビジネスやバイオメカニクスの勉強ができたり、英語を学べたり、そういう環境だったら高校を卒業する時にプロを選んでいたかもしれません。

 高校時代、僕は勉強ができていなくて、このままじゃダメになるとずっと思っていました。もしこのままプロになったら、野球も含めて何の武器も持たない大人になってしまうんじゃないかという不安がずっとあったんです。だから、高校を卒業する段階ではプロを選ぶことはできませんでした。

 もうひとつ、当時のドラフトに高校生も逆指名できるルールがあったら、揺れていたかもしれません。1パーセント程度の可能性だったかもしれませんが、プロの話は聞いてみたいという思いはありました。

 このチームに行きたかった、という意味での逆指名ではなく、事前の面談で育成方法とか野球以外の環境とか、そういうことをちゃんと聞いてみたかったんです。そういう機会があったら、プロを考えたかもしれません。

現実的ではないかもしれませんが、たとえば4年間、eスクール(通信教育課程)に通いながらプロとして野球ができるという環境を許してもらえたら、そちらを選んでいた可能性もあったと思います。

 早稲田大学の人間科学部には当時もeスクールはありましたし、そういう可能性を探ることもできずにプロか進学かを二者択一で決めなければなりませんでしたから、大学へ行きたいという気持ちが大半だった僕にプロを選ぶことはできませんでした。だから(9月11日)高校での進路表明会見で、僕は大学への進学希望を正式に表明しました。

 もしあの時、プロへ行っていたらどうなっていたんでしょうね。いろんな人から言われましたよ、高校からそのままプロへ行っていたらって......ポジティブに想像するなら、3年以内に一軍で3勝ぐらいはできていたのかな。当時の僕なら平気で30勝とか口にしていたかもしれませんね(笑)。

全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc7b067562ae8955de089bf289c4f7a6f45de289?page=2