長く話題を振りまいてきた“レース”がようやく決着を見た。

 現地時間11月17日、米専門局『MLB Network』は全米野球記者協会による今季のMVPを発表。アメリカン・リーグはアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、ナショナル・リーグはポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)が、投票権を持つ30名の記者から最も多くの1位票を集め、栄えある賞を手にした。


 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)もファイナリストにノミネートされていたア・リーグ。その結果が国内外で大きな注目を集めるなかで、最終的にはレギュラーシーズンにリーグ新記録となる62本塁打を放ったジャッジが堂々の初受賞を果たした。
 
 当然と言える結果ではある。今季のメジャーリーグは「飛ばないボール」が導入された影響から「投高打低」が加速。平均打率も.243と1900年以降で歴代ワースト4位に低下したなかでジャッジは影響を全く感じさせなかった。開幕から快調に飛ばし続けた彼は打率は.311、62本塁打、131打点、OPS1.111というハイアベレージをマークしたのだ。

 もっとも、最後まで「受賞に十分値する」「ジャッジじゃない」という声が絶えなかった大谷が残した成績も凄まじい。メジャーキャリアで初めて2桁勝利を掴んだ今季は、米球界で史上初となる「シーズン30本塁打&2桁勝利」「投打ダブル規定到達」を成し遂げ、昨季からの飛躍ぶりを見せつけた。

 それでも30人中28人が1位票を入れたジャッジの受賞、そして1位票を2票獲得した大谷の健闘には、米国内でも反響が相次いでいる。米放送局『Bally Sports West』は、「彼は人間ではなかった」と贔屓球団であるエンジェルスの大スターをあらためて称賛している。

 おそらく今回の投票には賛否両論があるだろう。しかし、ここまで人々を熱くさせ、多くの娯楽を提供した両雄には、あらためて賛辞を贈りたい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0c7fb4abb30fae12f117a5b199081de0c51a2853