0001少考さん ★
2022/10/20(木) 20:07:56.15ID:afpzl3bk9https://bunshun.jp/articles/-/58155?page=1
17才と1万5000日生きた声優・井上喜久子の肖像 #3
川俣 綾加 2時間前
長年「永遠の17才」を名乗り続け、声優業界では「17才教の教祖」としても知られる井上喜久子さん。
彼女はなぜ「17才」をつらぬくのか? 井上さんの考えを改めて聞いてみると、未来の自分に向けた真摯な考えを伺えた。(全3回の3回目)
本当の17才は苦しい
──17才の頃の井上さんはどんなタイプでした?
井上 1人でいるのが好きで、小説の文庫本を制服のポケットに常に入れて読むような子でした。石川啄木にもはまって『一握の砂』を枕元に置いて読み返したり、そらんじたり。
──そんな文学少女が、今ではありとあらゆるコスプレをしている。
井上 変身願望が強かったんですよね。小さい頃は、おもちゃの『ひみつのアッコちゃん』のコンパクトセットに夢中になってました。
すぐにやめちゃったけど、高校でテニス部に入ったのも『エースをねらえ!』の岡ひろみや、スコート姿にも憧れたから。本を読むのも好きだったし、色々な格好を楽しむのも好き。それは今もですね。
──スポ根気質みたいなものはあった?
井上 いや、全然です。でも思い返すと、高校3年の頃に1年サーフィンをやってるんですよ。
──自叙伝でも書かれてましたね。意外でした。
井上 サーフィン映画の『ビッグ・ウェンズデー』をテレビで見たら友達と盛り上がって「やってみよう!」と。サーフボードを担いで電車にのって鎌倉の海に行ってました。泳ぐのも好きで、自分のことをお魚の生まれ変わりだと思っています(笑)。
サーフィンに誘ってくれたこの友達は、声優になって色々な役をいただけるようになったものの、あまりの多忙とプライベートでの悩みも重なって、何もかもに自信がなくなっていた時にスポーツジムに一緒に行こうと誘ってくれたんです。
運動してシャワーを浴びて、座ってひと息ついていたら、トンネルを抜けたように世界が明るくなって、その時に「私、井上喜久子2号になろう」と。そこから色々なことが楽しくなりました。「人は変えられないけど、自分は変えられる」って。
──それでも人生、つらかったり苦しかったりすることはあると思うんですよ。そういう時はどうしていますか?
井上 何もかもが、いつかお芝居に生かされると思っているので、感情を心の奥にしまっておいて、そういう役がきた時に取り出すんです。傷ついたことも、怒りも、お芝居で返せるようになる。
ダークなキャラクターを演じる時は、それを心の箱から取り出してやってみると、表現できるような気がします。それも今は「やるぞ」と思ってやるのではなく、自然とできるようになりました。
(略)
永遠の17才」は若さへのアンチテーゼ
──改めて、「17才」のままでいるのはなぜなんでしょう。
井上 たまに「17才の若さに固執している」「少女主義」と言われることもあって。でもそれは全く違って、年齢ではなく、いきいきとした生き様を続けていくことを表しているんです。
──年齢にこだわらないからこそ、逆に。
井上 アンチテーゼじゃないですが、年齢にこだわらないこと。17才の頃は、この先の未来で何が待ち受けているのか、将来こんなことやあんなことがしたい……って考えていたはずなんですよね。
年齢を重ねれば重ねるほど失敗も怖くなって、失敗が恥ずかしくなる。でも、若いと失敗しても「やっちゃった、えへへ」で次に向かって歩ける。そういう世界が好きで。気楽に色々なことを楽しんでいける17才でありたいです。
80才や90才になって、病院で年齢確認をされた時に「17才です」と言って看護師さんを笑わせるのも夢ですね。そこで「おいおい!」って返してもらえたら、嬉しくてそのまま天国に行っちゃうかも(笑)。
写真=平松 市聖/文藝春秋
ヘアメイク=中村 友里香
※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。