帰国しそうもない「ガーシー議員」 刑事・民事での責任追及は無理 ならばどうすべきか?


 早くもと言うべきか、やっとと言うべきか、Twitterで「#ガーシー辞めろ」のハッシュタグが付いたツイートが急増している。専門家からも「このままの状況なら議員を辞めてもらうよう、国会は真剣に考えるべきだ」との声が出ている。

 ガーシーこと東谷義和氏(50)は元実業家で、現在は参議院議員。かつては飲食店やアパレル事業を手がけ、芸能人と親交を持っていた。

 ところが、ギャンブル依存などが原因で資金難に陥り、芸能人の名前を使って詐欺を働いた疑いが持たれている。

 警察に被害届が提出され捜査が開始されると、東谷氏はドバイに出国。今年2月から“暴露系YouTuber”として活動を開始し人気を博した。

 そして、7月10日に投開票が行われた参院選に比例区で出馬し初当選。本人の申請に基づき議員氏名として通称を使用することが許可され、晴れて「ガーシー議員」となった。

 同日に海外渡航届も提出したが、運営委員会理事会は不許可を全会一致で決定。これにInstagramで悪態をついたことも話題を集めた。

《お前らに参議院議員にしてもらった訳でもないのに偉そーにすな/オレの議員としての存続を決めれるのは、票を入れてくれた支持者だけや》

 参議院は解散がないため、東谷氏の任期は2028年7月までとなる。この調子で今後も欠席が続くのかと有権者は強く反発。たちまちTwitterに「#ガーシー辞めろ」のハッシュタグが生まれたというわけだ。

欠席は法律に抵触

 まずはハッシュタグの付いた主なツイートを紹介しよう。いずれも内容は正論ばかりと言っていい。

《登院どころか帰国すらしないのは、「リモートでも国会活動できる前例を作る」行動でも何でもなく、ただの身勝手だ》

《だったら初めから立候補するなよ。ただの、給料泥棒やん。国会で寝てるおっさんよりタチ悪いよ。そんなに、帰国が怖いなら初めから暴露なんかするなよ腰抜けが》(註:改行を省略し、読点を補った)

《国会にも出ない、そもそも国内にいない上に一国民のプライバシーも守れないやつが国会議員とかふざけるにも程がある》

 元検事で弁護士の若狭勝氏は、2014年の衆院選に自民党から比例ブロック東京で立候補し初当選。衆議院議員を2期務めた。法律家であり国会議員としての実務経験もある若狭氏に、東谷氏の問題について取材を依頼した。

「私も一人の有権者として強い憤りを感じています。理由は、ガーシー議員が法律を遵守していないことです。国会は立法府であり、唯一の立法機関です。国会議員が法律を作るわけですから、国会議員は自らが規範となって法律を守る責務があります。ところが、ガーシー議員の欠席は、国会法に抵触する恐れがあるのです」


歳費の無駄遣い

 国会法は第5条で《議員は、召集詔書に指定された期日に、各議院に集会しなければならない》と定めている。理由の認められない欠席は、第5条に抵触する可能性が高い。

 ガーシー議員の欠席問題に対し、「これをきっかけに国会のリモート化を検討してもいいのでは」と理解を示す有権者もいないわけではない。だが若狭氏は「順序が違います」と言う。

「現行法では出席を求めていますから、それに従う必要があります。国会のリモート化を議論すること自体は、別におかしなことでもなんでもありません。むしろ世相を考えれば理解できると言えます。しかし、ガーシー議員が国会のリモート化を求めるなら、今は国会に出席し、参議院の中で議論をする必要があります」

 Twitterでは、《歳費は払うな》、《無駄な歳費》、《ガーシーに国民の税金から歳費は許されない》──などなど、ガーシー議員に歳費=給与を払うのはおかしいという指摘が多い。

 国会議員になったにもかかわらず、いきなり欠席。これでやる気を感じろというほうが無理だろう。「歳費を搾取しているようなもの」と多くの有権者が疑問視するのも当然だと言える。


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https://news.yahoo.co.jp/articles/9b1e0f598e1d2c9e616119337dde2fbe8f5cb16c