2022年5月2日 11時0分スポーツ報知

「ゴルフの時には今でも1万歩は歩くよ」と頑健な体の道場六三郎さん
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 1990年代に人気を博したフジテレビ系「料理の鉄人」の初代「和の鉄人」として知られる道場六三郎さんの著書「91歳。一歩一歩、また一歩。必ず頂上に辿り着く」(KADOKAWA、1540円)が、好調な売れ行きだ。「91歳の、今だからこその思いをつづった」という道場さんの言葉には、人生を軽やかに生きるヒントが隠されている。(高柳 哲人)

 卒寿を前にした2020年12月にYouTubeチャンネル「鉄人の台所」を開設するなど、現役バリバリの道場さんの人生訓をつづった一冊。同様の書籍となると、過去の経験をズラリと並べて“説教”をするような内容が多い中、本書は作りを異にする。

 「『91歳の、今の道場が詰まっている』という感じ。そもそも、あんまり僕は過去の話をするのは好きではないんですよ。知り合いで昔のことを自慢する先輩がいたんだけど、聞いててあんまりいい気持ちがしなかったからね」。過去にとらわれないのは、料理においても同じだという。

 「振り返らないというか、覚えていなくてもいいと思っているんです。『鉄人』で作った料理を思い出そうとしても記憶にない。でも食材を見ると、今の方が若い時以上に発想が出てくる。この年齢になったからこそ、初めて作れる料理もある。だから、思い出す必要はないと考えています」

インタビューに応じた(カメラ・頓所美代子)
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 世間を見回すと「〇歳若返る方法」「〇歳の体をキープ!」といった言葉をやたらと目にするが「年を取るということは自然な流れ。だからね、老いるということはしょうがない」。無理に抗(あらが)う世の中の流れに疑問を感じている。だが、ただ黙って年齢を重ねているわけではない。

 「91歳の時に、やれることを精いっぱいやるということでいいんですよ。例えば僕はゴルフが好きだけど、今の飛距離は一番飛んだ時の半分くらい。でも致し方ない。いちいち『昔はこうだった』と思っていたらキリがない。それより、今何がやれるかを考える方が面白いんですから」

 そんな道場さんは、周囲に「僕は幸せ探しの名人」と言っているという。「何事もいい方向に考える。だから、これまでの人生でストレスを感じたこともないんです。あとの寿命はお任せだしね…」

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