4/9(土) 5:15配信
東スポWeb

総力戦の末に引き分けで終わった(東スポWeb)

 阪神が延長12回、4時間53分のロングゲームの末に8日の広島戦(甲子園)に3―3で引き分けた。なかなか浮上の兆しは見えてこないが、ライバル球団からは「開幕の1週間目よりは落ち着いてきた」と指摘する声が出ている。

 なぜ落ち着いたのか。その理由は、内野陣の「再編成」にある。開幕から中軸を担っていた一塁手のマルテが、右脚の故障で3日に登録抹消となったのが、そもそものきっかけだ。一塁手離脱により、三塁手の大山が一塁へ、二塁手の糸原が三塁へ、空いた二塁に本来は遊撃が本職の4年目・小幡を抜擢する形で内野陣を再編成した。

 マルテ離脱に伴うポジションの穴埋め候補には、4番を打ち三塁への配置も可能な佐藤輝という選択肢もあったが、あえて守備力がウリの小幡を起用した「ディフェンスの安定」を優先。それにより「甲子園に戻ってからは投手も含めた守備に関しては、連係面も含め、守りにも落ち着きが出てきた」(セ球団スコアラー)と話す。

 この日を終えてチームは1勝10敗1分け。派手な大型連勝で負債≠一気に返済するのが理想的ではあるが、チーム関係者も「今はすべてに我慢するしかない。投手はできる限り少ない失点で、攻撃は好機を確実に点を取って少しずつ流れを作っていくしか…」とこぼすように、投打に決め手を欠く現状のチーム状況では、多くは望めないのも事実ではある。

 チームは週末の広島戦後、敵地での中日3連戦を経て、再び甲子園で巨人3連戦。日程編成上もこの「守備重視シフト」は鍵を握りそうだ。

「甲子園もバンテリンも本塁打が出にくいピッチャーズスタジアム。ロースコアや接戦で、いかに1点を守り切るかは、どのチームも考えるべきところ」(セ球団スコアラー)と、内野の新布陣が今後も機能し続けるか否かは、浮上へのポイントとなると見ている。

 5日から3試合連続でこの内野布陣で臨み、8日は大山が失策1を記録したが、チームはここまで12試合でリーグ最少の4失策。昨年まで4年連続リーグ最多失策数と「防御力」が課題のチームとしては大出遅れ≠フ裏で、ひっそりとした進歩も見せている。数少ない開幕戦線の収獲を糸口に、虎は果たして逆襲の気運をつかめるか…。

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