2022年4月5日 15時20分スポーツ報知 # 芸能# 芸能コラム

 「結婚できない男」「ドラゴン桜」「テルマエ・ロマエ」「下町ロケット」など多くの当たり役を持ち、8日に主演映画「とんび」の公開を控える阿部寛(57)をインタビューした。ベテランの域に達すると一線から身を引く俳優も多いが、「まだまだ走り続けていきたい」とギラギラみなぎる意欲が印象的だった。

 「日本にはベテラン俳優が力を発揮できる作品が少ない。それを自分たちの世代でどんどん変えていきたい」という思いに共感した。日本映画では若くて容姿端麗な男女が主役を務める“青春キラキラ映画”が量産される傾向があり、
「演技力のある俳優の活躍の場が少ないことが、日本映画が海外で通用しない要因のひとつ」と指摘する映画関係者もいる。その現状を打破しようとする阿部の挑戦を応援したい。

 話題のホームページについても言及した。阿部のホームページはインターネット黎明(れいめい)期を思わせるレトロな味わいが魅力で「表示速度が極めて速い」と注目されている。
当初はファンが作り、後から事務所公認となったものだ。記者が「ホームページが注目されていますね」と問い掛けるとニヤリと笑顔を見せ「非常にシンプルで気に入っています。作っていただいて感謝です」と語った。

 中央大学理工学部電気工学科卒の阿部はアナログ人間ではなく、日頃からスマートフォンを使いこなしているが、ツイッター、インスタグラムなどSNSでの情報発信はしない。
俳優として「とにかく作品を見ていただきたい」というスタンスだ。豊かな表現力でシリアスからコメディーまで幅広い役柄を演じる阿部には60代、70代になっても、「中高年の星」として走り続ける姿を見せてほしい。(記者コラム・有野 博幸)

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