米大リーグ機構(MLB)と選手会は日本時間25日、フロリダ州ジュピターで労使交渉を行い、主要争点である年俸総額、最低保障額について話し合ったが、4日連続で合意には至らなかった。今後は双方とも予定通り同4月1日に開幕するためのリミットとされる3月1日まで連日交渉する。

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 複数の米メディアによれば、交渉が遅々として進まないことから、MLB側は開幕が遅れた場合、レギュラーシーズンの試合数削減を検討するという。

 現役選手がシーズンどころかオープン戦の開催すら危ぶまれている状況に、SNS上では「我々の楽しみを奪う気か」「応援する側の気持ちも考えてくれ」といったファンの切実な声が上がっている。

 予定通りに開幕が迎えられず、試合数削減ともなれば、メジャーはファンにソッポを向かれることになりかねない。

「最低年俸を1億円以上要求するなど、選手会側の主張を見る限り、時には過激な手法で経営者側をねじ伏せたかつての米国の鉄鋼労組、自動車労組と何ら変わりません。リッチ層の大リーガーがブルーカラーの交渉手法を真似していることに違和感もあります。米国のファンが選手会に不信感を抱くのは当然です」(スポーツライター・友成那智氏)

■入場料や球場内の飲食代などの値上げも

 インフレも影を落としそうだ。米労働省労働統計局が今月10日に発表した1月の消費者物価指数は前年同月比7.5%増を記録。1982年以来の高い伸びで、米国民の多くは食品、日用品などの物価高に悩まされている。

「すでにオーナー側は年俸総額の増額を受け入れているため、入場料や球場内の飲食代などを値上げする球団もあるでしょう。折からの物価高もあって出費がかさむだけに、球場に足を運ぶのを控えるファンもいるはずです。メジャーはここ数年、視聴率の低迷など人気に陰りが出ています。今オフのずさんな労使交渉に加えて、試合数が減るようなことになれば、昨年、投打の二刀流で全米の脚光を浴びた大谷のエンゼルスも集客は期待できないのではないか」(友成那智氏)

 メジャーが今、危機的状況にあるのは間違いない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f323bbf7807e094ddba2e59cdaa002cd08a1281e