サッカーW杯最終予選・中国戦では低調なプレーに終始し、批判の声が続出した長友佑都。次のサウジアラビア戦では堅い守備で勝利に貢献したものの、これで日本代表の左サイドは安心、とは言い難い状況だ。チームを牽引し続けてきた35歳に何が起きているのか。週刊文春2月10日号の記事を全文公開する。

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 サッカーW杯アジア最終予選を戦う日本代表DF・長友佑都(35)への批判が止まらない。1月27日の中国戦後には、城彰二ら代表OBからも先発出場を疑問視する声が上がった。

 その理由の一つを、スポーツ紙記者は「体力、脚力が明らかに衰えているからです」と指摘する。

「以前は驚異的な運動量を誇る長友の攻撃参加が日本の大きな武器でした。ところが今はキックの精度が大幅に下がり、攻め上がってもクロスボールが味方に合わない。守備でも全盛期なら軽々と止めていた場面で相手に置き去りにされたり、ファウルで凌ぐ場面が増えています」(同前)

 そんな長友を森保一監督は頑なにスタメンで使い、後半早々に中山雄太と交代させることを繰り返す。

「監督はとにかくチームの序列重視で選手を起用する。W杯3度出場の経験と攻撃力を買って長友を使い続けていますが、中国戦では交代した中山の正確なクロスから追加点が生まれるなど、攻撃面でも中山がすでに上回っています」(同前)

 一方、プレー以外で批判を集める理由をサッカーライターはこう語る。

「これまで長友は本田圭佑と共に『W杯優勝を目指す』と語り、『世界一のサイドバックになる』と公言。しかし“ビッグマウス”と結果がかけ離れているのです」

 イタリアのインテル、フランスのマルセイユなど名門クラブで11年プレーし、昨年9月にFC東京に復帰した長友。その際、「このクラブで優勝したい」と意気込みを語った上で「正直ぬるい。勝つチームの熱量ではない」と苦言を呈した。

サポーターを怒らせた長友の一言
「ところが長友加入後にチームは低迷。11月6日の横浜FM戦では自身の裏を集中的に狙われ、0−8という歴史的敗戦の戦犯となった。その直後の代表練習の際に大敗のショックについて聞かれ、『頭の切り替えは慣れています』と平然と語ったことで、FC東京のサポーターを怒らせました」(前出・ライター)

 では“長友不要論”を本人はどう感じているのか。

「『僕は批判されればされるほど燃えてくるタイプ』と意に介さず、『先発じゃなくても、W杯に出られればそれでいい』と話している。実際、交代後にゴールが生まれれば、誰よりも早くベンチを飛び出して仲間を祝福しますから」(同前)

そんなポジティブエピソードは、FC東京の関係者からも聞こえてくる。

「ロッカールームの盛り上げ役で、練習中は彼の『ブラボー!』という大声が響き渡っている。緊急事態宣言が明けてからは、若手を積極的に食事に誘って、自身の経験を伝えていました」

“鋼のメンタル”を武器にまだまだ戦えそうだ。

2/6(日) 11:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/566a661c857290ad481101433f03a6400ebe62dc

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