1/11(火) 8:00
スポーツ報知

逸ノ城を下した御嶽海(左)

◆大相撲 初場所2日目(10日、東京・両国国技館)

 大関・正代が難敵を退けて3場所ぶりの連勝発進を決めた。過去2戦2敗だった人気業師の東前頭2枚目・宇良を一気の出足で押し出し。昨年は初場所で優勝争いに加わったが、それ以降は1ケタ白星が続く苦しい1年だった。今年こそ大関として初めて賜杯を抱くべく、このまま白星を重ねる。横綱・照ノ富士は東前頭筆頭・若隆景を小手投げで下し、昨年秋場所13日目から20連勝とした。大関・貴景勝は初黒星となった。

 抜群の相撲センス、御嶽海のうまさが光った一番だった。逸ノ城の右のかち上げに、左のおっつけで対抗。押されたというより左に回り込みながら左のおっつけで攻め続けた。最後は右をハズにかけ、胸を突いて大きな逸ノ城を押し出した。

 最高のスタートといえるが、御嶽海の場合、問題はこれから。必ず気持ちが抜けた相撲が出る。勝てる相手につまらない相撲で負ける。この“病気”が出ていなければ今頃は綱を張っている。先場所、「九州場所で10番以上勝てなかったら御嶽海の評論はしない」と書いた。この気持ちは変わらない。素質があって馬力もある。2回の優勝という実績もある。大関に上がれないのが不思議。大相撲界の七不思議でもある。

 気がつけば30歳に届く年齢。貴景勝らにも追い抜かれ、次世代の若手も台頭してきた。ラストチャンスだろう。今場所を10勝以上で乗り切り、私が定年となる春場所で大関昇進となれば、私も泣いてしまうかもしれない。(尾車親方=元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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