0001征夷大将軍 ★
2021/12/21(火) 06:14:16.88ID:CAP_USER9青山学院大、16人とも28分台ランナー
駅伝は、持ちタイムだけでは測れない。しかし、数字で表される記録は、選手たちの成長、努力の証しであることも間違いない。
今回、登録された21チーム336選手のうち、1万メートルで27、28分台をマークした選手は153人。前回から40人増え、2018年からは約2・5倍と激増した。
特筆すべきは青山学院大だ。大会史上初めて、登録16人全員が28分台をマークした。メンバー外の選手を含めると28分台は20人以上を数え、原晋監督は「Bチームを作ってもシードは狙えるね」と話す。誰が走っても主力級という、分厚い選手層を築き上げた。
さらに、今回特徴的なのは、予選会通過校を含めた全体のレベルが一様に上がったことだ。予選会1位の明治大は青学大に次ぐ13人、2、3位の中央大、日本体育大も10人の28分台を登録した。28分台が1人の専修大以外は、全チームに4人以上、29分未満の選手がいる。
シューズ進化とトラックの競技会増加
要因の一つが、シューズの進化だ。ロードを席巻したカーボンプレート内蔵の厚底シューズブームの流れを受け、トラック用スパイクにもプレートを搭載したモデルが普及した。関東学連の上田誠仁(まさひと)・駅伝対策委員長は「シューズの進化が記録向上に貢献したのは間違いありません。そこに、レベルの高い記録会が毎週のように開かれたことも大きい」と語る。
コロナ禍でロードレースが次々中止となり、力試しの場がトラックへ移った。そこでは実業団の外国勢がペースメーカーを担うことも多く、実業団選手と競り合って好記録が続出した面もあるようだ。
さらに選手の心の壁を取り払う、指導者の意識も見逃せない。青学大の原監督は「選手には1万メートル28分台は当たり前と言ってきた。言霊は大事なんです。思いを持って伝えれば、若者は必ず目標に向かって努力してくれるんです」と力を込める。27分台を最多の3人出した早稲田大の相楽豊監督も「実は故障がなければ、もう3人27分台を出すつもりでした。27分台は、今は壁ではないです」と言い切る。
王者・駒沢大とエース・田沢廉の「駅伝力」
ただし、「駅伝力」は好記録を出した人数だけでは測れない。各校が発表した上位10人の平均タイムでは前回王者の駒沢大が首位に立った。27、28分台の人数は9番手の8人でも、平均は28分24秒65で2位青学大に約5秒差をつけた。
その違いが「エース力」の差だ。駒大の大黒柱、田沢廉(3年)は今月の記録会で27分23秒44の日本歴代2位をマーク。箱根2区の区間記録を持つ東京国際大のイエゴン・ビンセント(3年)を直接対決でねじ伏せての記録だけに、その重みがずしりと伝わる。
エース力を含む最速の駒大と、随一の厚みの青学大が、ひとまず「2強」と言えそうだが、忘れてならないのが前回の教訓だ。最終10区の残り2キロまで首位を走ったのは、27、28分台が3人の創価大だった。一方、28分台を最多の14人擁した明大は11位で予選会へ。優勝候補もミスで転落し、全員が堅実につなげば予選会からの下克上もある。
全体のレベルが急上昇した超戦国駅伝。トラックのデータを映し出すような快記録が続出するか、新春の箱根路を注目してほしい。
大学記録
https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20211220-OYT1I50140/
筆者プロフィル
近藤雄二(こんどう・ゆうじ)1968年生まれ。早大時代に箱根駅伝3度出場。2019年にフルマラソンで2時間44分16秒をマーク。
読売新聞2021/12/21 06:00
https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/news/20211220-OYT1T50228/