◆プロボクシング「ダイヤモンドグローブ」 ▽女子日本ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦6回戦 〇鈴木なな子 (判定) 瀬川紗代●(9日、東京・後楽園ホール)

 女子日本ミニマム級王座決定戦は、日本同級2位・鈴木なな子(三迫)が同級1位・瀬川紗代(ワタナベ)に判定勝ち。タイトル初挑戦でベルト奪取に成功した。戦績は鈴木が6勝(1KO)2敗、瀬川が1勝(1KO)2敗。

 初回から激しい打ち合いの展開。ともに決定打を奪えず、試合は判定に。ジャッジ1人が58―56と瀬川につけたものの、2人は鈴木を支持。新王者の名前が告げられると、鈴木は硬かった表情を一気に緩めて、笑顔をほころばせた。「どっちかな、どうしようと思ったけど、力は出し切ったので、あとは…」と、祈るように判定を待った現役の立大生は「在学中のタイトル奪取」という目標を達成した。

 「瀬川さんのパワーを感じたけど、絶対にタイトルは欲しかった」と鈴木。昨年1月にワタナベジムから移籍し、連勝したものの、昨年12月の試合で受けたバッティングで右目付近を骨折。さらに網膜裂孔を患った。さらに、左手に良性の腫瘍ができて、「夏過ぎまでは、もう今年はダメかな」と諦めたという。だが、椎野大輝トレーナーの指導のもと、目標に向かって練習を重ねた。

 「1ラウンドはガチガチで、ビンタしようと思った」と笑わせた椎野トレーナーも、この1年を振り返り「成長しました」と目を細めた。判定となった段階で「負けはないけど、ドローはあり得る」と覚悟を決めたが、「最後まで力は出し切れたから」と、三迫ジム初の女子日本王者誕生を信じた。

 現在、立大コミュニティ福祉学部4年生。卒業までに「パフォーマンス」をテーマにしたリポートを提出することになっている。門出を前に、自ら戴冠で祝福した鈴木は、卒業後はボクシング一筋と決めている。「着実に勝って、次は東洋太平洋、そして世界を取りたい」と夢を広げ、「30歳までには取りたい」とニッコリ。これには、椎野トレーナーも「長げ〜な〜」と目を丸くして笑い合っていた。

報知新聞社
https://news.yahoo.co.jp/articles/d87b8cd1da0ac8c68250346c206788e5a9a7f5db
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