[2021年11月30日11時40分]

奈良の木々は赤く色づきつつあった。稲刈りを終えた田んぼのあぜ道には、熟した柿が実る。どこか遠くから野焼きをする、焦げたにおいが流れていた。

21年11月14日。奈良・天理駅から山側へ、30分ほど歩いたところにある田園に囲まれた親里球技場。全国高校ラグビーの奈良県予選準決勝は、御所実−奈良朱雀の顔合わせになった。

奈良朱雀で顧問を務める山本清悟は、控え選手がいるベンチから少し離れた、観客席の下にある長椅子に腰を下ろして試合を見守った。
60歳になり、今年の春に定年退職。嘱託再任用で学校に残り、監督から顧問に肩書が代わった。
選手のいるベンチには座らず、これまでより1歩引いていたのは、今年から監督を任せる中瀬古成(よしあき、48)への山本なりの配慮だったのかも知れない。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.nikkansports.com/sports/news/202111250000703.html