上毛新聞 2021/11/25 06:00
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/342637

サッカーJ2ザスパクサツ群馬を運営するザスパ(群馬県前橋市)を今月辞任した森統則前社長が、社内でクラブ運営費の不適切使用を指摘されていたことが24日、クラブ関係者への取材で分かった。同社は調査委員会を立ち上げ、支出が適正だったかを調べている。一方で、チームがJ2残留を懸けて争っているシーズン最終盤での社長交代劇を巡り、社内から経緯を疑問視する声が上がっている。

関係者によると、森氏は10月、接待交際費約20万円の不適切な使用を経理部門から指摘された。同中旬以降は正田醤油スタジアム群馬(同市)で行われるホーム戦にも姿を現さなくなっていた。その他に不透明な支出がなかったかなどを、調査委が引き続き調べているという。

一方で、接待交際費は経営トップの裁量も大きいとされる。関係者によると、適正さが疑われる支出は今春から複数回あったとされ、同社が以前から森氏に対して是正を要求していたかどうかは不明。チームは12月初旬にシーズン最終節を控える大事な時期だけに、ある社員は「どのような経緯で、このタイミングでの社長交代となったのか」といぶかる。

2月に社長に就任した森氏は、クラウドファンディングによる収益増に取り組んだほか、長年クラブの懸案事項だった自前の練習場とクラブハウスの用地取得を目指し、9月に同市と協議を始めていた。

上毛新聞の取材に対し、森氏は「コメントできない」とした。同社は「調査中のため答えられない」としている。