イギリス映画界の名匠ケン ・ローチの長編デビュー作、映画『夜空に星のあるように』が、1967年の日本公開から53年の時を経て劇場公開される。

『麦の穂をゆらす風』『わたしは、ダニエル・ブレイク』の2作品がパルムドールを受賞、80歳をこえて尚、新作を発表しているケン・ローチ。格差社会、貧困、人種差別といった社会問題を取り上げ、 労働者階級やときに第3世界からの移民たちに寄り添った映画を撮り続けている稀有な映画監督である。

本作は、そんなケン・ローチ監督の長編映画デビュー作で、すでにその一貫した視点やプロ、アマ問わないキャスティング、ロケ撮影中心、大胆なシーンの省略、即興性等、監督のその後の映画に見られる特長が顕著に表れている作品となっている。

現在まで一貫してイギリスの労働者を描き続けてきたケン・ローチだが、本作においてもドキュメンタリーのようなリアルなまなざしで、市井の人々の姿を映し出しているのが映像からも見て取れる。「女に必要なのは男。そして子供」と語るジョイ。そして、最後のカットでは「今の人生を幸せだと思わなきゃ」とカメラに向かって語りかける。

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