日本サッカー協会は来年11月11、16日に行われるカタールワールドカップ(W
杯)のW杯アジア最終予選のメンバー27人を発表した。各組上位2位に出場権が与えられ、日本代表は現在4位。ともにアウェー戦となる11日・ベトナム戦、16日のオマーン戦で負けることがあれば、森保一監督の解任の動きが再び表面化する可能性は高い。

同監督が現役時代に京都、仙台で選手として仕え、「BOSS」と仰ぐ一人に、Jリーグ通算82勝を挙げた清水秀彦氏(67)がいる。

その清水氏はオマーン戦こそ、この最終予選の大きな山場になると見て、万が一、敗退したら「チームも日本サッカー界も正月を越せない」と危機感を募らせた。

残り6試合、一つも負けられない状況の中、日本サッカー協会はベンチ入りの上限より4人も多く日本代表を招集した。そこに危機感が感じられるが、清水氏の見方は厳しかった。

「このチームには先兵さんにあたる、点取り屋がいないね。(今夏、イングランドのニューカッスルから神戸に移籍し、10戦5ゴールを挙げている)武藤(嘉紀)なんか呼べば面白かったのに‥と思いましたよ。確かに日本代表には絶対的なストライカーはいないかもしれない。でも、日本にだって今、点が取れている選手はいる。武藤がそうだし、日本代表に選ばれた(スコットランドリーグの)セルティック古橋享悟もゴールを取る雰囲気が充満している」

エースストライカーのポジションにはドイツブンデスリーガで7年半プレーし、武藤と同時期に神戸に加入したFW大迫勇也(31)がいる。2018年ロシア大会のベスト16に貢献し、森保監督もエースとして重用してきた。ただ8月からプレーする神戸では7試合でまだ1ゴール。10月12日、日本代表として出場した豪州代表戦で負傷が発覚し、11月3日に約1か月ぶりに実戦復帰したばかり。それでも森保監督は代表メンバーに呼んだ。

ポイチ(森保監督のあだ名)の考えでいくと、16日のオマーン戦には、きっと故障明けの大迫を使うでしょう。試合まで2週間近くあるから間に合う≠ニ絶対に思っていますよ。

大迫は素晴らしい、すごい選手さ。でも、前回のロシア大会が終わって次のカタール大会も彼がエースなのか、というのは俺からすれば疑問だった。
彼は確かにボールを収められる、次の攻撃に向けたポイントになれる技術は一級品です。しかし、絶対的なストライカーじゃない。私は現役時代、最終ラインのDFやボランチのポジションでした。その視点から言わせてもらうのであれば、ボールをキープしているだけのFWなら相手からすれば怖くないんです。今回、日本代表がW杯最終予選で苦戦を強いられているのは、ホームで戦った9月2日の初戦のオマーン戦に敗れたからですが、中盤でつなぎ役もする大迫が狙われて、彼がゴール前でボールをもらえなかったことが敗因のひとつです。

もし点が取れる、という選手だったら、2部にいたブレーメンでのシーズンが終わった後、ドイツでも欧州でも別のクラブが是が非でも取りに行くからね。36歳になったクリロナ(クリスティアーノ・ロナウド)とか、そうじゃない?比較しちゃ申し訳ないけど、彼が未だにトップの中のトップでやれるのは必ずゴールを取れるからさ。サッカーは点を取ってなんぼでしょ?ゴールが決まってこそ、チームに勢いがつくと思うんです」

今回招集を見送られた武藤は5ゴールだけでなく7アシストも記録し、常にゴールに絡み続ける。武藤と入れ替わるように神戸からスコットランドへ移籍した古橋も現地時間4日の試合でも1ゴール1アシストで移籍後、16試合で10ゴールとゴールを取りまくっている。

「点をとり続けられる選手を紹介するとき、『具体的にここがいいから』と説明できる部分と、その理屈だけでは説明できない要素と、両方あるんですよ」(清水氏)。

“ゴールを奪える感覚”が研ぎ澄まされている選手を優先的に使った方が勝利への近道なのではないか、という意見だ。

「だからオマーン戦の5日前に行われるベトナム戦では若くて勢いのある選手を積極的に使ってゴールラッシュを狙い、チームを勢いづける。そんなメリハリが欲しい。自陣ゴールに近い、守備的な位置にはキャプテンの吉田麻也や長友佑都がらベテラン勢がいて、彼らは常に悪くても80点のプレーはしてくれますから」

FRIDAY 11/9(火) 13:32
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb710a35b22d75a8c73c0f6dfd9cf33fcae4e1f6

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