2021.11.02

その卓越した演技力で魅力的なキャラを次々と演じてきた声優の石田彰さん。ファンから「石田ボイス」と呼ばれる透明感ある声だけでなく、キャラの性格に応じたさまざまな演技力で幅広い声質を巧みに使い分けます。
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デビュー直後、ミステリアスキャラで一躍スターダムに

 11月2日は声優の石田彰さんのお誕生日です。おめでとうございます!  石田さんといえば、ベテラン声優としてこれまでにさまざまなキャラを演じてきました。その一部を筆者チョイスでご紹介しましょう。

 石田さんは、大学在学中に通っていた養成所時代に参加したOVA『世界名作童話全集』(1988年)の「おやゆび姫」の王子様が初仕事だと公表しています。その後、1990年に声優として本格的にデビューしました。

 それからの活躍は筆者が見ていた作品ですと、『愛と勇気のピッグガール とんでぶーりん』(1994年)の水野光一、『ナースエンジェルりりかSOS』(1995年)の宇崎星夜、『闘魔鬼神伝ONI』(1995年)の朱羅丸などがあります。

 しかし、石田さんの名前を世に知らしめるきっかけとなったキャラと言えば、『美少女戦士セーラームーンSuperS』(1995年)のフィッシュ・アイは外せないでしょう。後にファンから「石田ボイス」と呼ばれる、透明感あふれる独特の声質を生かしたキャラで、多くの人が声の担当者は女性だと思っていたという逸話があります。

 そして、『スレイヤーズNEXT』(1996年)からシリーズレギュラーになった獣神官(プリースト)ゼロスも、この頃の石田さんを代表するキャラのひとりでした。ミステリアスで敵か味方が分からない。腹黒くて本音をあまり表に出さない。謎めいて何でもかんでも知っているようなキャラ。……そういった石田さんがよく演じるキャラの原型のようでした。

 このゼロス以上にミステリアスな雰囲気を持っていたのが、『新世紀エヴァンゲリオン』(1996年)の渚カヲルです。ラスト間際だけの登場でファンから圧倒的な支持を得て、石田さんの名前をアニメファンだけでなく一般にも浸透させたと言っても過言ではないキャラでした。

 このように前述したようなミステリアスキャラを演じるのがうまい石田さんですが、それだけを演じているわけでないのが声優としてスゴいところです。例えば、『ゴクドーくん漫遊記』(1999年)では傍若無人な主人公のゴクドー・ユーコット・キカンスキーと、正反対の性格を持ったセイギを演じ分けていました。『仙界伝 封神演義』(1999年)の申公豹は、石田さんの得意とするひょうひょうとしたタイプのキャラでした。それとは反対に裏表のない誠実なキャラが『デジモンアドベンチャー』(1999年)のウィザーモンでした。個人的には悟りきった感のある『こげぱん』(2001年)のクリームぱんも印象深いキャラです。

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【画像】声優・石田彰が演じたちょっとヤバめのキャラ(5枚)
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