◆JERAセ・リーグ 中日1―3ヤクルト(13日・バンテリンドーム)

 今季限りで現役を引退する中日・山井大介投手が引退登板に臨み、塩見をスライダーで空振り三振に斬って20年間の現役生活にピリオドを打った。試合終了後に行われた山井、藤井両選手の引退セレモニーでは、後輩の大野雄大投手や田島慎二投手、子どもからも花束を受け取った。

 慣れ親しんだマウンド付近に置かれたマイクの前で、ゆっくり話し始めた山井は「山井大介は本日をもちまして20年間の現役生活にピリオドを打ちます。正直、こんなに長くユニホームを着てプレーをできるとは思ってもいませんでした。それも全て陰ひなたとなり支えてくださった家族や両親、チームスタッフ、チームメイト、監督・コーチ、関係者のみなさん。ナゴヤドーム、ナゴヤ球場のグラウンドキーパーのみなさん。自分の体にたくさんのケアをしてくれたみなさん。暖かかくも厳しくしった激励をくれたファンの皆様、本当にありがとうございました。13年のノーヒットノーラン、14年には最多勝、最高勝率。何と言っても07年の日本シリーズ優勝。53年ぶりの日本一。ファンのみなさんと一緒に感動したあの一瞬は一生忘れることはありません。プロ野球生活の歴史に、つめあとを少し残せたのかなと。記録より記憶に残る選手と言ってもらったこと。誇りに思います。野球が好きです。大好きです。ドラゴンズが大好きです。全国のドラゴンズファン。ありがとうございます。これで山井大介の野球人生はマウンドを降ります。20年間本当にありがとうございました」と締めくくった。

 07年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦では、先発し8回まで完全投球を続け、史上初の継投による完全試合で53年ぶりの日本一へと導いた。4度の日本一も経験し、長年竜の投手陣を引っ張ってきた雄姿を見ようと、福留や谷元らもバンテリンドームへと駆けつけた。

 与田監督も「三振を取ったかどうかより投げている姿。藤井も含めて、ドラゴンズに貢献してきた2人なので色んな思いがある。山井は、私の監督初勝利の試合の投手なんでね。(与田監督が現役時代に背負った)29番に対する思い入れもありますし、その番号をずっと守ってきてくれた。個人的にはそういう思いもある」と話した。

 背番号29。栄光も挫折も味わった男が、ユニホームを脱いだ。

 ◆山井 大介(やまい・だいすけ)1978年5月10日、大阪・豊中市生まれ。43歳。神戸弘陵高、奈良産大、河合楽器を経て、01年のドラフト6巡目で中日に入団。13年6月28日のDeNA戦(横浜)では史上77人目のノーヒットノーラン達成。14年には13勝で最多勝、最高勝率の2冠に輝いた。通算335試合、62勝70敗20セーブ、防御率3・75。179センチ、86キロ。右投右打。年俸2790万円。既婚。

スポーツ報知

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