「ソフトバンク3−1オリックス」(10日、ペイペイドーム)

 ソフトバンクの千賀滉大投手が8回5安打1失点で今季8勝目を挙げた。チームの大型連敗を8で止める好投。最後の八回は1死満塁の大ピンチを背負ったが、ここを無失点で乗り切った。

 まずはオリックス4番・杉本を三ゴロに打ちとり2死までこぎつけた。なお満塁だったが、5番・T-岡田からは渾身の直球で11個目となる三振を奪った。123球目でこの日最速の158キロをマークする圧巻の勝負球だった。

 チームの大型連敗を8で止め、エースとしての役割を果たした。

 しかし、千賀に笑顔はなかった。「紅林くんに当ててしまった。心配というか、(骨が)折れていると思う。まだ2年目ですよね。若手でショートを守れる選手なんてなかなかいない。紅林ファンの千賀として思うところはあります。まして、向こうは優勝争いをしているし余計に思うところがあります」と視線を落とした。

 満塁のピンチを背負った八回、紅林に死球を与えていた。右腕に150キロ直球が直撃。紅林は右腕を抑えたままベンチ裏に下がり、そのまま交代していた。

 「今日は当ててしまった時点で何も嬉しくない。それがすべてです。今日の試合、全部忘れました。また当てた。本当、それだけです…」。千賀は19年3月の教育リーグでの調整登板で、オリックスの当時ルーキーだった太田に与えた死球で右手を骨折させていた。その時も「すごく落ち込んだ」とショックを口にしていた。

 取材の時点で紅林の状態について詳細は不明だったが、千賀にとっては後味の悪い白星となった。

デイリー

https://news.yahoo.co.jp/articles/f17f88117630fb3906f6e8eab0473c9eeae619e8