サッカー・2020年カタールW杯アジア最終予選戦(7日、サウジアラビア・ジッダほか)B組の日本は敵地でサウジアラビアに0―1で敗れ、1勝2敗で勝ち点3。
主将のDF吉田麻也(33)=サンプドリア=はW杯出場を逃した場合、責任を取って日本代表を引退する覚悟を示した。
12日には埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦する。オーストラリアはオマーンを3―1で退け、3連勝で首位を守った。

バックパスの軌道がそれて、相手へのスルーパスに変わる。0−0の後半26分、MF柴崎のミスから最悪の形で失点。
パスを受けるはずだったDF吉田は、球をかっさらった相手FWブリカンの背中に追いすがるも届かなかった。

「我慢比べの試合だったが、一つのミスを突かれた」

主将はすぐさまピッチ中央で円陣をつくって下を向かずに戦ったが、気温30度を超える酷暑に体力を奪われ、うまく時間を使うサウジアラビアを効果的に攻め立てられなかった。
5万人以上のサポーターで埋まった敵地のスタジアムには手拍子と大歓声が渦巻いた。

最終予選3試合を終えて1勝2敗。2位以内に与えられるW杯出場権が遠のいた。厳しい現状に主将は「結果が出なければ責任を取る」と明言。
続けて「監督は結果が出なければ首が飛ぶもの。監督が代われば選手も代わるわけで、万が一にも敗退したら、自分も辞めるつもり」とW杯出場を逃せば代表引退≠燻ォさぬ構えをみせた。

試合後のインタビューに臨む吉田に対し、相手サポーターから容赦ない罵声と嘲笑が浴びせられた。気色ばんだ吉田が金網越しに詰め寄り、スタッフに連れ戻される一幕もあった。
「差別的なジェスチャーがあった。ちょっと許しがたい」といい、「事務方が(抗議の)リポートを出すと思う。ここでは控える」と珍しく語気を強めた。

「前回(W杯ロシア大会)の最終予選も2敗しているし、まだ7試合ある。ホームでオーストラリアをたたけばチャンスも出てくる」

冷静さを取り戻し、12日の試合に気持ちを切り替えた。下を向いている時間はない。悔しさはピッチで晴らす。(宇賀神隆)

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