◆ スピードだけが全てじゃない!

 阪神の秋山拓巳投手が11日にマツダスタジアムで行われた広島戦に先発登板。7回1失点というピッチング内容でリーグトップタイの10勝目をマークし、2年連続で2ケタ勝利を記録した。

 前回登板の巨人戦では2回3失点でKOされた秋山だったが、この日は初回を2者連続三振で立ち上がると、7回二死まで許した走者は死球を与えた鈴木誠也のみという素晴らしピッチング。結果的に西川龍馬に許した初ヒットが右翼スタンドへの本塁打となり、ノーノーに加えて完封の可能性も途絶えたが、続く鈴木を二飛に仕留めた。

 この日の最速は139キロながら、7回を投げて80球、1安打1死球1失点と好投。8回表の攻撃で代打を送られ降板となったが、後を受けた岩崎優とスアレスが無失点でつなぎ、阪神が4−1で勝利を収めた。

 11日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた江本孟紀さんは、「もともとコントロールの良いピッチャー。球のキレが良ければ軽く完投できる力がある」と評価。

 同じく同日の放送に出演していた解説者の谷繁元信さんも、「チームが苦しいなか、長いイニングを投げてくれた」と、先発としての役割を全うした右腕を称賛。さらに「MAX139キロでも、コントロールとキレがあれば抑えられるという代表的なピッチャー」と続け、150キロオーバーが珍しくない昨今にあって、最速が140キロ未満でも、その制球力を武器にプロの第一線で結果を残していることに感嘆していた。

 また、制球力勝負ということで、捕手目線ではリードのしがいがあるようにも思えるが、谷繁さんは「そう思うでしょ? 結構難しいんですよ。コントロールがいいピッチャーというのは、張られると、だいたいそこにくるので」と主張。コースだけの勝負では難しい場合もあることを強調した。

2021.09.12. 07:14
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