中国のポータルサイト・網易に13日、東京五輪最大の「勝者」は日本を代表するマンガ「ドラゴンボール」だったとする記事が掲載された。
 
 記事は、2016年のリオ五輪閉会式での東京五輪のPR映像で演出に用いられたマンガ・アニメ・ゲーム文化が、東京五輪本番の開閉会式では残念なことに影を潜めてしまったとする一方で、「大会の中で、われわれは素晴らしい『二次元』の演出を見ることができた」と紹介。その主人公は五輪に出場したアスリートたちであり、彼らが試合会場の内外で見せた「パフォーマンス」が「二次元要素の欠けたこのイベントに、魅力を与えてくれた」とした。

 その上で、ウズベキスタンの新体操チームが「美少女戦士セーラームーン」風のユニフォオームを着用して注目を集めたほか、イタリアの競歩選手が「ワンピース」の主人公ルフィによる「ギア3」のポーズを真似、ギリシャの男子走り幅跳び金メダリストも入場時に「ギア2」のポーズを取ったと紹介。このほか「ナルト」、「ジョジョの奇妙な冒険」といった人気マンガのポーズを取るアスリートが続出し、日本のマンガやアニメがいかに世界的に愛されているかを改めて知らされたと伝えている。

 そして、中でも最もアスリートたちに愛されていたのは「ドラゴンボール」であったと指摘。陸上男子4✕100メートルリレーで中国代表の4人が入場時に「かめはめ波」のポーズを取ったほか、メンバーの1人である蘇炳添選手は100メートル走で9秒83のアジア記録を出した際に腰をかがめながら両手を握って咆哮し、まるで「超サイヤ人」に変身するようなポーズで喜びを爆発させたと伝えた。

 さらに、男子バレーボールのアルゼンチン代表選手はコート上での集合写真で「かめはめ波」「フュージョン」「元気玉」などドラゴンボールに登場する印象的なポーズを次々繰り出し、男子自転車競技で金メダルを獲得したイタリア代表が金メダルを首に掛けた上で「ギニュー特戦隊」のポーズを完全再現した写真をツイッターに掲載したと紹介。「彼らは筋金入りの二次元ファンだ」としている。

 記事は、この他にも東京五輪の中で「かめはめ波」のポーズを披露する選手の姿が数多く見られたことを伝え、「今回の五輪において、ドラゴンボールの要素は至るところで見られた。まさに、ドラゴンボールは世界で知らない人がいない存在なのだ」と評した。

 今回の五輪を通じて日本が発信したかった日本のソフトパワー、マンガ・アニメ・ゲーム文化は、開閉会式の凝った演出よりも、日本の作品や文化をリスペクトしてくれている世界のアスリートたちによってより強く世界に向けて発信されたようだ。

サーチナ 2021年8月16日 12時12分
https://news.infoseek.co.jp/article/searchina_1701468/