7/29(木) 23:04 デイリースポーツ
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 「東京五輪・体操女子個人総合・決勝」(29日、有明体操競技場)

 女子個人総合決勝が行われ、日本女子のエース、村上茉愛(24)=日体ク=は4種目合計56・032点で5位入賞を果たした。日本勢としては、1960年ローマ大会、64年東京大会で6位の池田敬子さんを上回る最高順位となった。

【写真】感情が揺さぶられたか、顔をゆがませる

 2019年に腰を痛め、そして東京五輪の1年延期。体操日本女子のエース村上は国際舞台が遠のく中、疑心暗鬼になりながら、がむしゃらに練習場で汗を流してきた。ただ、コロナ禍により、五輪を巡る空気は変わった。開催に反対する世論が強まる中、夢舞台を目指しているアスリートに対しての風当たりは強くなった。今大会でも試合後に様々な形でSNS上に中傷コメントが書き込まれ、波紋を呼んでいる。

 団体戦後、村上は自身のSNSに報告を投稿したが、そこにも中傷のコメントがついたことを告白した。「私もありました。言っていいのかわからないですけど。そういうのが嫌でSNSをやってなかったんですけど…。でもコロナになって色んな人が色んなことを言うのを躊躇する世の中になって、アスリートが発言するというのはすごく難しいなって。もう消去しましたけど、そういう嫌なコメントをみてしまって…。すごく残念でした」。そこからは涙が止まらなかった。

 1年間、自身の中で葛藤もあった。「言いたいことを言ってきたけど、でも本心は言えていないというのがこの1年すごく多かった」。そんな中でも必死に前を向く、たどり着いた夢舞台でも、言葉の牙がアスリートに向かっている。

 「五輪を反対している人がいるのももちろん知っている。だけど、どうしても見たくなくても嫌な気持ちになってしまう、勝手に入ってきてしまう。それがすごく残念で悲しかった。コロナになってそういう賛成と反対の意見が分かれるようになってから。でもそういう人を見返したいと思って、この1年頑張ってきた。そういう人達に思い知ったかと思ってもらいたいです。すいません、最後に泣いてしまって」。3分間、涙とともに訴え続けた。