2021.07.16

7月16日は声優の古川登志夫さんのお誕生日です。そこで過去に演じてきたいくつかのキャラを思い出し、その功績を振り返ってみましょう!
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いきなりの主役抜擢でインパクト絶大だったデビュー時

 7月16日は、声優・古川登志夫さんのお誕生日です。おめでとうございます! 75歳の ベテラン声優として、いまだなお一線で活躍を続ける古川さんのデビューからの歴史を振り返ると、日本アニメの歴史の一端も見えてきました。

 古川さんの声優デビューは『ゼロテスター』(1974年)の名前のないサブキャラです。初めて名前のあるキャラ、しかも主役を射止めた作品が『マグネロボ ガ・キーン』(1976年)の北条猛でした。当時はロボットアニメの全盛期。しかし、主役をできる声優は限られていたので、古川さんの猛は新人とは思えないインパクトがありました。

 筆者が古川さんの声と名前を覚えた作品は、『惑星ロボ ダンガードA』(1977年)の大星秀人と『アローエンブレム グランプリの鷹』(1977年)のハンス・ローゼン。ふたりとも主人公の良きライバル兼友人という立ち位置で、マイナーですが今でも好きなキャラです。

 この時期は前述したようにロボットアニメの本数が多く、古川さんは主要キャラを多く演じていました。特筆するべきキャラといえば、やはり『機動戦士ガンダム』(1979年)のカイ・シデンでしょう。

 その後、40年以上にわたってゲームなどの声も演じているので、もっとも付き合いの長いキャラかもしれません。ちなみに『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(2015〜2018年)でもカイを演じていて、4人しかいないファーストから役を続投したひとりとなっています。

 80年代に入ってラブコメというジャンルがはやりだした頃、古川さんが演じることになったのが『うる星やつら』(1981〜1986年)の諸星あたるでした。

 筆者としては、それまでにも二枚目半な役どころを演じていて適役だと放送当時に感じていましたが、そうでない人もいたそうです。後年になって降板要求の投書が多く寄せられていたという話を聞いてビックリしました。当時は原作マンガのアニメ化で自分のイメージと声が違うとすぐ騒ぐ人が多くいたので、そういう風潮だったのだろうと思います。

 この時期のラブコメといえば、『The かぼちゃワイン』(1982〜1984年)の青葉春助も筆者には忘れられない“古川キャラ”でした。ギャグという面では、『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981〜86年)の空豆タロウも思い出されますが、作品中でモブキャラたちの声も多く演じていたのが印象的です。『機動戦士ガンダム』もですが、古川さんのモブキャラは声のバリエーションがあって素敵でした。



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