東京五輪に挑むU-24日本代表のメダル獲得への期待が高まっている。その根拠として、久保建英を中心とした攻撃陣以上に、OA枠2人を加えた安定感抜群の守備陣の存在がある。そして、その中で世界的にも若手有望株として評価されているのが、セリエAで実績を積むDF冨安健洋(ボローニャ)である。

 1998年11月5日生まれの22歳。強さ、速さ、高さ、知性、万能性のすべてを備える男の存在は、今回の東京五輪だけでなく、カタールW杯以降の日本代表にとっても頼もしい限りだが、同時に日本には現在“ネクスト冨安”になれる可能性を持つセンターバックが多く揃っている。

 今回の東京五輪代表メンバーを見ても、オランダ・エールディビジで全34試合フル出場を果たしてクラブの年間最優秀選手に選出された板倉滉(1997年1月27日生まれ、フローニンゲン)は今後の飛躍が期待できる。また、バックアップメンバーではあるが、身長190センチの高さと左利きの希少性を持つ町田浩樹(1997年8月25日生まれ、鹿島)、高い対人能力と優れたビルドアップ能力を持つ瀬古歩夢(2000年6月7日生まれ、C大阪)と、サイズ的にも世界レベルのスケールの大きなセンターバックが数多く顔を揃えた。

 すでに海外でプレーする冨安、板倉に続き、町田、瀬古も今後、欧州クラブから、より具体的な移籍話が浮上してくるはず。あるいはJリーグの舞台でも守りの要として強力な外国人FWと渡り合う中で足りない部分を埋めながら成長して行くことができれば、世界の舞台で戦えるDFになれるはずだ。

 そして日本の未来が明るい理由が、有望株が“彼らだけ”ではないということ。今回の東京五輪メンバー以外にも高い能力を持つ者たちは多くいる。立田悠悟(1998年6月21日生まれ、清水)は、2019年5月のコパ・アメリカでA代表デビューを果たした期待の逸材。身長191センチの高さ、跳躍力、スピードといった身体能力の高さは日本トップレベル。その反面、プレーの判断や周囲との連携面で荒削りな部分が多く残っているが、この弱点を今後、経験を重ねる中で克服できれば、再び世代の先頭に立つことは可能だ。

 高校3年生でJデビューを果たした小林友希(2000年7月18日生まれ、神戸)も早くから評価されてきたDFだ。ビルドアップ能力と対人への強さを併せ持つ左利きの現代版センターバック。神戸の下部組織育ちで世代別代表にも常に名を連ね、2017年のU−17W杯には久保建英らとともに主力として出場した後、高校3年になったばかりの2018年4月にJデビュー。その後、町田、横浜FCとレンタル移籍先で1年半の武者修行を経て今季から神戸に復帰。ベルギー代表のフェルマーレンが欧州選手権出場で離脱中は、スタメンとして堂々としたプレーぶりを見せている。

 さらにその小林を押しのけて開幕からレギュラーとして好パフォーマンスを見せているのが、身長188センチのDF菊池流帆(1996年12月9日生まれ、神戸)である。青森山田高から大阪体育大を経て2019年にJ3・山口に入団した遅咲きのセンターバック。2020年に神戸に加入してJ1デビューを飾ると、空中戦での圧倒的な強さと闘志あふれるプレースタイルで一気に評価を高めた。足元の技術には改善の余地があり、年齢的には現在24歳で東京五輪世代より上だが、現在の成長度を考えると近い将来、欧州リーグの舞台で活躍していても不思議ではない。

 ボランチが本職ながらセンターバックとしてJリーグで実績を積んでいる者たちもいる。大阪体育大学在学時の2019年5月にU−22日本代表に選出され、同年12月にはA代表デビューも果たした田中駿汰(1997年5月26日生まれ、札幌)は、プロ1年目の昨季からレギュラーとして出場を続け、今季は開幕から3バックの右CBとして持ち前の守備能力の高さを発揮。身長183センチの高さに鋭い読み、そして広い視野からのパス能力の高さも魅力だ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/04303cbb671be2ee90065472265ab8e134eec635
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