小学校6年生、「将来総理大臣になりたい」と書いた私に対し、先生は「道は近し」と返してくれました。ところが中学に入ると、学年1位の成績を取れば「男は試験なんて真面目にやらないから」と、私の真面目な努力を笑って男をかばう先生や、「生理が来たら女は終わり」と、未来の夢を絶つ先生がいた。近所のオバチャンには「陽子ちゃんはいくら勉強ができても、女だからね」と嘆かれたり…。母親に至っては「勉強ができても女らしくしないとお嫁のもらい手がないよ」と。そういった言葉で洗脳され、手足を縛られていく、そんな感じの10代でした。こう言われ続けたら、“女は所詮こんなもの、穴と袋なんだ”と思ってしまっても仕方ない。今の言葉で言うならば、そうやって女は“わきまえさせられてきた”んですよ。でもそこで負けず、「私はわたしの人生を生きる!」と頑張るのが、今で言う“わきまえない女”。私もその一人。生きづらいですが、元気で自由です。

悩んだテレビ出演時、支えになったのは先輩の言葉。

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当時の私の本業は大学教授。バラエティに出たことで同業者からもかなり批判されました。そんなとき、先輩であり一番尊敬するフェミニストの駒尺喜美さんが、「専門書はよく売れて8000部。でもテレビは視聴率1%で100万人。反感を買っても、テレビでフェミニズムが語られた、その事実が残ることには大きな意味がある」と言ってくださった。当時、私の出演番組は視聴率20%超えもあったので、2000万人以上が見ていることに。駒尺さんの言葉が支えになりました。
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