サッカーのユーロ2020に出場しているポルトガル代表のクリスティアノ・ロナルドが、6月14日の記者会見で席上に置かれていたコカ・コーラのボトルを脇にどけ、代わりに水を飲むように呼び掛けた。

他の選手もこれに続いた。フランス代表でイスラム教徒のポール・ポグバは、試合後にハイネケンのボトルを会見時のテーブルから下ろした。イタリア代表のロカテッリもコーラのびんを2本動かしたが、カメラに映る場所からは動かさなかった。

主催の欧州サッカー連盟(UEFA)にとって、一連の出来事は大きな恥だった。UEFAはコカ・コーラ社が水を含め多様な飲料を製造している、との声明を出し、同社を擁護せざるを得なくなった。

ボトルが動いたことで、相場も動いた。
事件以来、コカ・コーラの株価は1.6%下落。時価総額は約4410億円も減った。

専門家は、従来のブランド・プロモーションの手法に一石を投じる事件とみている。
英ダラム大学ビジネススクールのマーケティング管理専門家、ニール・グレイニー氏はこう分析する。
「スポンサー活動で、主要ブランドが注意すべきなのは、会見でコーラやハイネケンのびんを置くのは時代遅れなのか、もっと良いスポンサー活動の方法があるのか、という2点だ」

ハイネケンとコカ・コーラはコメントを出していないが、今後の記者会見で不快な思いをすることになるかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bb1a634f947d1d1f76fa1c8372070fd5aea610a2
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