移籍1年目の昨シーズンは、全くいいところなく終わったソフトバンクのバレンティン。

 昨年はシーズン途中に、前所属チームであるヤクルトのユニフォーム姿の写真とともに、「幸福はお金では買えない」とインスタグラムに投稿し、物議を醸した。

 古巣への思いを断ち切り、今季は再び輝きを取り戻すことができるのか、それともこのまま球史に残る不良債権となってしまうのか……。

 今季はコロナ禍による緊急事態宣言の延長などに伴い、ビザ発給など様々な問題が発生。4月13日に二軍へ合流したが、未だ一軍での試合はない。全盛期のような大爆発を期待する声もあるが、復活へのカギは何と言っても“気分屋”の男がやる気になるかどうかという点だ。

「昨年の結果はモチベーションの問題がある。気分が乗らない時には、別人のようなスイングになる。守備でも怠慢プレーにつながるので、早々と交代する試合もあった。気持ち良くプレーさせればとんでもない打撃をしてくれますからね」(ヤクルト関係者)

「球場入り時、その日は打ちそうか予測できた。普段は明るくて、周囲のみんなに声をかけて笑い合っている。でも気分が乗っていない時は無口になっていて、試合でも打てない。昨年の不調は気持ちの問題が大きいと思います。すごく良い人なので、今でもみんなが応援している」(神宮球場関係者)

 バレンティンは11年に来日し、ヤクルトでは1年目から本塁打王(31本)のタイトルを獲得。在籍9年間で8度30本塁打以上を記録し、通算288本塁打をマークした。13年には王貞治氏の持っていたシーズン最多本塁打記録を更新する60本塁打を放ち、日本プロ野球の歴史に名を刻んだ。左ヒザ手術の影響で15試合出場に終わった15年以外は、コンスタントな打撃成績を残してきた。

「ヤクルトという地味な球団だったので、本塁打記録の時などしかスポットライトが当たらなかった。しかし実績は過去の外国人選手の中でもトップクラス。仮に人気球団でもマイペースな性格なので、プレッシャーに負けず同様の成績を残せたはず。ベテランの年齢になり、大型契約での移籍に心配の声があったのは事実。でも打撃技術は健在なので、あそこまで成績が下がるとは思えなかった」(ヤクルト担当記者)

「自分がスワローズでプレーしていた9年間で何回も優勝しているのを見てきた。100%のプレーをして、勝ちにこだわっていきたい」(バレンティン/20年1月29日・ソフトバンク入団会見)

 19年オフに9年間プレーしたヤクルトを離れ、ソフトバンクへの移籍を選んだ。外国人枠からも外れ日本人扱いされるため、ソフトバンクにとっては大きな補強となるはずだった。またバレンティン本人もNPB最強とも言えるチームでのプレーを心待ちにしていた。

 しかし話題となったのは入団会見だけだった。移籍1年目の昨年は60試合出場、9本塁打22打点に終わり、ポストシーズンでは出場機会すらなかった。通算300号まであと3本に迫っているのだが、記録を忘れてしまうほどの酷い結果となってしまった。

「バレンティンが活躍しなくても昨年は日本一になった。現有戦力でもチームには問題ないが、獲得時に費やした金額が大き過ぎる。今のままでは松坂大輔(現西武)と同じようになってしまう」(在京スポーツ新聞デスク)

https://news.yahoo.co.jp/articles/e542656c883665b3f3760aad3e8a74b27b7ed100
5/4(火) 18:00配信

https://npb.jp/bis/players/13315133.html
成績