プロ野球は24日、臨時実行委員会を開き、緊急事態宣言発令地域の公式戦を原則無観客で開催することを決定した。現時点で27日から5月11日までの24試合が対象。並行して、有観客開催を目指し可能な範囲で日程変更が行えることとなり、巨人は5月2日の中日戦(東京D)、同 ファンあってのプロ野球、という文化を守るため、巨人が動きを見せた。臨時実行委員会で、緊急事態宣言発令の地域内では無観客で試合を開催する方針が定まったが、宣言期間中に本拠・東京Dで主催する6試合のうち、5月2日の中日戦(振替日は7月8日午後6時)、同8日のヤクルト戦(振替日未定)については延期とすることを発表した。残る4試合は無観客で開催する。

 この日の会議では「可能な限り来場者を迎えての試合を開催するため、日程変更に努力する」ことで12球団の合意がなされ、会議後にリモート会見に応じたNPBの井原敦事務局長も「一部の試合で日程変更が可能な場合は変更する」と説明していた。それにのっとり、巨人は宣言期間中の主催試合で対戦するヤクルト、中日両球団やNPBと調整に着手。現状では緊急事態宣言は5月11日までだが、期間が延長される可能性や、東京五輪による約3週間の中断期間、雨天順延となる試合の振り替えなど、並行して日程消化についても考慮しなければならない。調整は慎重を極めたが、それぞれのカード1試合を宣言期間外に延期することで合意した。

 またヤクルトは4月29日の巨人戦に加え、5月3〜5日の阪神戦のうち1試合の延期を検討していることが判明。5月11、12日の広島2連戦(いずれも神宮)も日程を変更する方向で調整が進められているという。現時点では11日が宣言最終日となっているため、同日の試合を移動日の予定だった13日にずらす検討をしている模様だ。高津監督は無観客について中日戦前に取材に応じ「これが一番と思って決められたルール、規定なので、我々はそれに従って頑張っていくだけ」と受け止めた。

 球団経営の観点からすれば、入場料収入が見込めない無観客試合は大きな痛手となるが、グラウンドとスタンドが一体となって試合をつくるという点もプロ野球の醍醐(だいご)味。斉藤惇コミッショナーは、この日の会見で「プロ野球というのはお客さんあってのもので、単に野球をやるということだけのものがプロ野球ではない」と強調した。

4/25(日) 5:00
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