2021年04月09日 13時13分 ゲーム
スーパーマリオブラザーズのRTA世界記録が更新、人類には不可能とされた「4分55秒の壁」とは?
https://gigazine.net/news/20210409-super-mario-bros-rta-4m-55s/
https://i.gzn.jp/img/2021/04/09/super-mario-bros-rta-4m-55s/00.png

1985年にファミリーコンピュータ向けに発売された「スーパーマリオブラザーズ」は、いかに速くクリアするかを競うRTA用のタイトルとして高い人気を誇ります。
そんなスーパーマリオブラザーズのRTAで、人間には不可能とされてきた「4分55秒」という壁を見事に越え、
ついに「4分54秒948」という前人未到の記録が達成されました。

News - The 4:55 barrier broken in Super Mario Bros. - speedrun.com
https://www.speedrun.com/news/667-2021-4-8-the-4-55-barrier-broken-in-super-mario-bros

Perfect Super Mario Bros. speedrun beat after two years - Polygon
https://www.polygon.com/22372715/super-mario-bros-speedrun-record-4-54-55-niftski

RTAプレイヤーであるNiftski氏がスーパーマリオブラザーズを世界で最も速くクリアする映像は、以下から見ることができます。

Super Mario Bros. Any% Speedrun in 4:54.948 *WR* - YouTube
https://youtu.be/i3NRe3KulqU

今回、Niftski氏が挑戦したのはステージのクリア率を考慮せずにとにかくラストステージの8-4のクリアまでを急ぐ「Any%」という部門。
このスーパーマリオブラザーズのAny%の記録は「4分55秒の壁」を破れるかどうかが以前から議論されていました。
Niftski氏の4分54秒948というタイムは、この4分55秒の壁を初めて越えたタイムとなります。

4分55秒の壁については、ゲームのRTAについて詳しいBismuth氏がYouTubeで解説しています。

Is 4:55 the perfect speedrun? Super Mario Bros. World Record Explained - YouTube
https://youtu.be/4CgC2g43smA

まず、スーパーマリオブラザーズのAny%でのRTAで重要なポイントとして
主に「フレームルール」「Wall clips」「Wrong warps」「Wall jump」「Fast acceleration」の5つが挙げられます。

・「フレームルール」は、ゲームのタイムを競う上で考えなければならないフレーム単位のこと。
スーパーマリオブラザーズは1秒当たり60フレームで動作し、21フレーム単位で処理が行われます。つまり21フレーム=およそ0.35秒周期でタイムがずれてしまうといえます。

・「Wall clips」はマリオが壁の中を通り抜けることで地形のショートカットを図るというテクニックです。

このWall clipsが特に重要になるのは、1-2の奥にあるワープゾーンへの到達です。

ワープゾーンへのWall clipsを成功させるには、スタートから一切立ち止まることなく、ダッシュで1-2を駆け抜ける必要があります。

ただし、最後の土管の手前でBボタンを離し、一瞬だけAを押してジャンプすると、土管と壁をすりぬける形でワープゾーンに到達。

Wall clipsを使った時(左のマリオ)と一般的な天井の上を超えていった時(右のマリオ)だと、以下の画像ほどの時間差があります。
これは大きなタイム短縮につながるテクニックですが、多くのRTAプレイヤーがこれを実現できずに世界記録更新を諦めて散っていきました。

・そして、「Wrong warps」はワープポータルとなる土管の読み込みを調整することでショートカットを狙うというもの。

Wrong warpsについては、ステージ4-2の攻略で考察が重ねられており、その詳細については以下の記事を読めばわかります。

いまなお研究され続ける「スーパーマリオブラザーズ」のステージ4-2最速攻略の知られざる歴史とは? - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180131-super-mario-infamous-stage/

・「Wall jump」は、マリオの足先が32分の1ピクセル(1サブピクセル)だけ壁にかかることを利用して、壁を蹴るようにしてジャンプし、障害物を乗り越えるというテクニック。

・「Fast acceleration」は、「マリオは普通に移動するよりも後ろ向きでジャンプする方がより速い」という仕様を利用したテクニック。

さらに4分55秒の壁を越えるために研究されたのが、Flagpole glitch(旗らけグリッチ)を利用するというもの。
【略】