【3】裾上げ

裾上げにはシングルとダブルがあります。シングルとは裾に折り返しがないもののことで、ダブルとは折り返しがあるもののこと。

どちらが良いのか迷われる方もいるかと思いますが、基本的にはダブルの裾上げで、裾上げ幅は5cmだと間違いがないと心得てよいでしょう。

シングルにするのは、ドレススーツを着るときくらいです。
ズボンの裾はシングルかダブルか。丈と幅の正解は? 誰も教えてくれなかった、スラックスの正しい履き方。

ドレススーツでは、裾を後ろ斜め下へカットしたモーニングカットと呼ばれるシルエットにします。しかし、このままだと生地に重しがなく、しわになってしまいます。

スラックスの生地がまっすぐきれいに落ちるようにするためには、内側にテーピングをしなければなりません。

一方、ダブルなら自然と生地に重しがついてまっすぐなシルエットになるので、基本的にはダブルで裾上げをします。

裾上げ幅は5cmが基本のキです。これは身長に関係なく、股下がかなり長い方でも同様です。

よほど背の低い方の場合のみ、4.5cmにしても大丈夫です。裾口幅が19cmくらいから23cmくらいのスラックスなら、裾上げ幅は5cmと考えるのがいいでしょう。

ちなみに夏物の薄い生地の場合は、裾に重しをつけるために、いわゆるヘム(裾の折り上げ)を1.5cm〜2cm、ヘリンボーンテープで押さえると生地がきれいに張ります。

プロフィール
赤峰幸生
イタリア語で「出会い」を意味する、インコントロ代表。大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年から『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界から注目を浴びる日本人のひとり。
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