2021年1月14日 12時00分 
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 名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親を演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞が有力視される映画『ファーザー』が5月に日本公開されることが決定した。

 本作は世界30か国以上で上演された舞台の映画化で、誰にでも訪れる老いの喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父親の視点で描く作品。先月31日に83歳を迎えたアンソニーが演じるのは、自身と同名、同年齢、同誕生日の主人公。監督が当て書きしたというこの役で、本人が「自分の父をそのまま演じた」と語るその演技は、自身にとって『羊たちの沈黙』(1991)以来となるオスカー受賞も期待される。

 また、父を介護する娘にふんした『女王陛下のお気に入り』のオスカー女優、オリヴィア・コールマンの演技も高く評価され、アカデミー賞助演女優賞の有力候補といわれている。

 監督は原作を手掛けたフランスのフロリアン・ゼレールで、長編初監督作としてメガホンを取った。原作舞台は日本でも2019年に「Le Pere 父」のタイトルで、橋爪功、若村麻由美が出演し、上演された。(編集部・中山雄一朗)