1/14(木) 11:02
FRIDAY

バラエティ番組でのキムタクに抱いてしまう「コレジャナイ」感
愛犬を連れて、動物病院から仲良く帰宅するキムタクと工藤静香夫妻
木村拓哉は演技が上手い。昔からのキムタクファン(ファンが“キムタク”とは呼ばないことは百も承知だが便宜上)なら、「そんなことは拓哉がブレークする前から分かっていた」と言うだろう。

スーパーアイドル木村拓哉の場合、俳優業は歌ったり踊ったりバラエティに出演したりする、数ある表現の中の一つ。逆にいえば、アイドルである限り、バラエティに出演することも(宣伝のためとはいえ)一種の“本業”のようなものなのである。

コロナ禍でエンタメ系の活動が制限される中、SNSで独特の発信力を持つ妻の工藤静香が、木村家がいかに仲良しファミリーであるかをアピールしたことも、筆者からすれば、新たなバラエティ的キャラクター作りの一環かと思っていたほどだ。

◆『教場U』番宣バラエティ番組での「コレジャナイ」感

年が明け、フジテレビ系新春SPドラマ『教場U』の宣伝でバラエティ番組に次々に出演する木村を観た。2003年から続く明石家さんまとの正月特番『さんタク』を除けば、必ず「出演してもらうことに有り難みがある」あるいは、「ジャニーズの後輩が共演に恐縮しまくる&そのカッコよさに平伏す」という構図が強調され、古参スマヲタ(箱推し)からしてみると、「こういう木村さんが観たいんじゃないのに〜」と、毎回「コレジャナイ」感を覚えた。楽しいはずのバラエティなのに視聴後にスッキリしなかったのだ。

その理由に思いを馳せると、木村を陰で操っているプロデューサーの“戦略ミス”に気づいたのである。

国民的傑作漫画「ドラえもん」には、様々なキャラクターが登場する。のび太にドラえもん、しずかちゃんにジャイアンにスネ夫。それぞれに欠点があるから魅力的なのであって、もし仮に、ドラえもんのキャラクターでアイドルグループを結成したとして、最終兵器として出来杉くんを投入した6人組でデビューさせても、出来杉くんにヲタはつかないだろう。

ジャニーズJr.を見ていても思うが、普段はポンコツなのに、ステージに立つと一気に輝く、という素材がファンにとっては一番魅力的なのだ。例えば、同じSMAPでも中居正広は、普段は「歌ヘタ」「口パク上手」などと自虐ネタを披露しながら、いざステージに立つと、キラッキラのアイドルスマイルとキレッキレのパフォーマンスと前代未聞のサービス精神で、5万人からのファンを魅了した。

ステージの中居こそがスーパースターで、ヲタは、その変身ぶりに感動していたのである。だから中居には一般に知られる人気以上に、“ガチヲタ”が多かった。その“ガチ”感は、他のグループに置き換えると嵐の大野智や、随分前にジャニーズを去ったKAT-TUN時代の赤西仁のファンに多く見られる現象であった。

考えてみると、ジャニヲタは、何よりも推しの“変身力”が見たいのかもしれない。ヲタとして、可愛いとカッコイイの、昔から変わらない部分と成長した部分の両方を自分の目と耳で確認したいのかもしれない。

ソロになった木村拓哉の場合も、芝居を主戦場にしている限り“変身力”は存分に発揮できている。問題はバラエティである。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/f2fb6181d58c7c43a189306681559fcfdbecf253