プロボクシング世界4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)チャンピオン・井岡一翔(31)=Ambition=が、
8日までに米専門サイト「ボクシング・シーン」のインタビューに答え、「ボクシングを見ている人はタトゥー(入れ墨)ではなく、リング内でのアクションに興味がある」などと答えた。

昨年12月31日に元世界3階級制覇王者・田中恒成(25)=畑中=との2度目の防衛戦で8回TKO勝ちした井岡。
その試合で左肩、腕、脇腹に入れたタトゥーが目立ったことからSNSやネットで賛否両論の意見が出されているが、井岡がこのほど、ボクシング・シーンのインタビューに応じた。

国内の統括機関である日本ボクシングコミッション(JBC)のルールでは「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者は試合に出場することができない」などと定められており、
日本でライセンスを保持する選手が国内リングに上がる際にもルールが適用されることになっている。ただし、外国人選手や海外での試合は適用外だ。

同サイトによると、井岡は通訳を通して「JBCはリングに入る前に、タトゥーを隠すように言ってきた」としたうえで、
「しかし、それは本当に意味がなく、ボクシングとは何の関係もない。私はこのルールを削ぎ落としたいと思っている」と答えた。

「ボクシングを見ている人はタトゥーではなく、リングでのアクションに焦点を合わせている」と井岡。「日本に住んでいて、(日本の)ジムから出場する選手に入れ墨が入っていても、彼らは外国人であるため、隠す必要なしに戦うことができる。
それで一貫性のないルール。(禁止するなら)全てのファイター、日本人、そして外国人のために禁止すべき」などと訴えた。

だが、現行ルールがある以上は従わなくてはならない。JBCは井岡サイドに対し、試合前日にもルールの確認を行い、井岡もまた、ファンデーションなどでタトゥーを隠す処理をしたという。
タトゥーを入れて日本では3戦目となるが、今回はファンデーションが薄かったもよう。JBCでは週明けにも開く倫理委員会で、この件について話し合う予定だ。

2017年に一度引退表明した井岡は、18年に復帰。「リングに戻るなら、自分が決めたことから逃げることはできない」などの強い思いからタトゥーをいれたことを明かしていた。
日本のボクシング界が発展するためには「古い考え方と構造を再考する必要がある」と訴える。

「私には世界チャンピオン・ボクサーというブランドがある。このブランドを高めて、国際的にも受け入れられ、若いファイターが大きな夢を見るロールモデルになりたいと思っている。
だから、私は(ボクシングの)戦いに影響を与える私のタトゥーについてはあまり考えていない。若いファイターのために、ボクシングをより良くすることを考えている」と結んだ。

スポーツ報知 / 2021年1月8日 15時25分
https://news.infoseek.co.jp/article/hochi_20210108-OHT1T50105/?tpgnr=sports

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https://news.biglobe.ne.jp/sports/0108/8324675501/sph_20210108-OHT1I50134-T_thum800.jpg